草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

ロングセラー『定年後のリアル』待望の第2弾、文庫書き下ろしで登場!

【文庫】定年後7年目のリアル

勢古浩爾 著

◆定年から7年たったら、どうなるか

朝、起きなくていい。もう会社に行かなくていい。毎日自分の好きなことができる。もしかすると定年生活は夢のような暮らしなのではないか? 作家の勢古浩爾さんの定年生活を読んでいると、不思議と定年後が待ち遠しくなってきます。

昼過ぎに起きて、自転車に乗って公園へ。日当たりのいいベンチに座り、缶コーヒーとタバコで一服。これが勢古さんの定年後7年たった今も変わらぬ毎日の目覚めの儀式です。

前作『定年後のリアル』では、勢古さんが会社を辞め、定年生活へと移行するにあたって起こった大小さまざまな変化を綴ったものですが、実は、意外にも読者に好評だったのが、勢古さんが公園でのんびりと過ごすひと時でした。閑散とした公園でベンチに座り、空を見上げて、雲が流れていく様子を眺めたり、足元の蟻を見たり…ボーっと過ごす時間がうらやましいと、「早く会社を辞めて、公園生活を始めたい」という読者の声も多く聞かれました。

今回の新刊では、その後7年たった現在、勢古さんにどのような心境の変化や生活の変化があったのか、(あるいはなかったのか)を、ユーモアをまじえて、リアルに綴ったものです。あらためて定年後を豊かに過ごすために、本当に必要なことは何なのかを教えてくれる本となりました。

◆何にもなくても、けっこう愉しい日々

勢古さんの定年後のモットーは、7年たった現在もまったくぶれません。

「なにをしてもいいし、なにもしなくてもいい」です。同じように、趣味や生きがい、友だち、お金も、「あってもいいし、なくてもいい」が原則です。

むしろ、「なにもしない」静かな生活こそ“白いごはん”のように飽きが来ないと断言します。本の中では、中高年の溜まり場と化したマクドナルドで、おばさん店員とケンカしそうになったり、行きつけの公園で、馴れ馴れしいおじさんに話しかけられて困ったり、足の衰えを感じて、サンダル履きをやめて靴を履くようにしたとか、些細な出来事の数々が綴られますが、あまりに些細すぎて余計におもしろく感じられるのではないかと思います。

他、「なんといおうと昔は懐かしい」「理想の老年モデルはいない」「定年後に『生きがい』はなくていい」「生きていることはじんわりと心地よし」など、世間の無責任な情報に煽られず、マイペースに、ほんわか、のんびり、愉しく定年後の日々を暮らすちょっとした秘訣がたくさん書かれています。

 本書は、これから定年を迎える人にとっても、すでに定年生活に入っている人にとっても、安心してほっと気持ちが楽になる一冊です。

(担当/吉田)

著者略歴
勢古浩爾(せこ・こうじ)

1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に34年間勤務ののち、2006年末に退職。市井の人間が生きていくなかで本当に意味のある言葉、心の芯に響く言葉を思考し、静かに表現しつづけている。1988年、第7回毎日21世紀賞受賞。著書に『結論で読む人生論』『定年後のリアル』(いずれも草思社)、『自分をつくるための読書術』『こういう男になりたい』『思想なんかいらない生活』『会社員の父から息子へ』『最後の吉本隆明』(いずれも筑摩書房)、『わたしを認めよ!』『まれに見るバカ』『日本人の遺書』(いずれも洋泉社)、その他多数。

 

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