草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

誰もが時間を切り売りして稼ぐ時代がやってきた!!

時間資本主義の到来――あなたの時間価値はどこまで高められるか?

松岡真宏 著

◆ ひとびとのニーズは、時間効率化と時間快適化に、二極化している

このところ居酒屋チェーンが不人気だそうです。仕事が終わって職場近くの居酒屋で「ちょっと一杯」やっていた層が、居酒屋よりも気軽な立ち呑み店やお酒を出すファーストフード店に流れたり、若者であればコンビニで惣菜やお酒を買って自宅でくつろぎながらの「家呑み」を好むようになっているとか。

立ち呑み、家呑みのブームから見えてくるのは、お金をかけずに、もっと手早く効率的に呑みたい、もっと快適に呑みたい、という「時間の効率化」と「時間の快適化」という時間への相反するニーズ。じつは居酒屋をめぐる変化の背景には、人々の「時間価値」の変化があります。

本書は、その「時間価値」という切り口で、気鋭の経営コンサルタントである著者が、各種の消費傾向やビジネス事例、企業のあり方、個人の働き方を分析しながら、「時間資本主義」という新時代の到来を説いた意欲的な作品です。

◆ 少しでも時間価値を高められるものが、時間資本主義の勝ち組となる

そもそも、時間資本主義とは、どのような社会なのか――。簡単に説明しましょう。

・モバイル技術の進化で5分、10分の移動時間や待ち時間など、従来は捨てられていたはずの、すきまのような時間の価値が飛躍的に高まる。

・「すきま時間」を少しでも有効に使いたい人が増え、移動中の空き時間を有効に使えるような時間貸しスペースや「時短」をコンセプトにした商品、サービスの開発、空間づくりが、大きなビジネスチャンスにつながる。

・スマホ片手に誰もが、わずかなすきま時間を切り売りしてクリエイティブなアイデア次第で稼ぐことも可能となる。

・時間に追われる人ほど、新しいアイデアを思いつく暇もなければ、時間を活かす余裕もなくなり不利となる。

誰もが時間に重きを置くようになってきたことで人々は、少しでも有意義な時間を求め、無駄な時間を過ごすことには、お金を使いたくないと強く考えます。また、時間に余裕のある「時間リッチ」か「時間プア」かで、収入に大きな差がつく可能性があります。

企業も、個人も、時間価値を追求したものが有利となる時間資本主義の時代。日ごろから「時間が足りない」と思う、あなたにとって、限りある時間の使い方を考えるきっかけを与えてくれる一冊です。

(担当/三田)

著者略歴

松岡真宏(まつおか・まさひろ) 

フロンティア・マネジメント代表取締役 東京大学経済学部卒業後、野村総合研究所やUBS 証券などで、流通・小売り部門の証券アナリストとして活動。UBS 証券で株式調査部長に就任後、金融再生プログラムの一環として設立された産業再生機構に入社し、カネボウやダイエーの再生計画策定を担当。両社では取締役に就任し計画実行に携わる。2007 年に弁護士の大西正一郎氏と共同で、フロンティア・マネジメント株式会社を設立し、共同代表に就任。国内外で、経営コンサルティング、M&A 助言、企業再生を軸とした経営支援を行う。著書に『小売業の最適戦略』(日本経済新聞出版社)『百貨店が復活する日』(日経BP 社)『問屋と商社が復活する日』(同)『逆説の日本企業論』(ダイヤモンド社)、『ジャッジメントイノベーション』(同、共著)がある。

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