『オタクとは何か?』
大泉実成 著
この本のラストに、時々僕自身頭をかかえたくなる「綾波ポエム」を掲載した。
つまり、ハイデガー流に言うと「ケーレ」(転回)がおこったのである(いやいやスケールの大きさは考えちゃダメですよ)。僕は綾波ポエムを認めたのである。「僕はここにいてもいいんだ」と思ったのである。
僕はジャニーズやピンクレディ(旧い!)やシャーみたいな人間や非人間キャラにキャーキャー言う人たちを「馬鹿じゃねえの」と思っていたのだが、大きな間違いであることが分かったのだ。人格の淘汰のためにも、キャラ萌えはそれでいいのである。それは君を一回り大きくするのだ。
僕は綾波に対して僕自身の魂を投影していたのである。魂は永遠なのである。そしてテレビ版最終話のシンジ君のように、世界がパーッと開かれ「僕はこれでいいんだ」と思ったのである。
オタクもヤンキーも肉食系も草食系もやってることは同じなのだ。意匠が違うだけなのだ。
そういうことなんですよ、みなさん。よろしくおねがいしますよ、ほんと。
(大泉実成・筆)