地球は本当に丸いのか?―身近に見つかる9つの証拠
武田康男著
◆「えっ! これも地球が丸いせいだったの?」と驚く事実の数々
高層マンション最上階付近に相当する100mの高さに登ると、海抜0m近くに比べて日の出は2分も早くなります。このように、高いところに登ると日の出が早くなるのは、地球が丸いから。地球の丸さにより、高いところからは、地平線が下がって見える(見下ろす)ようになるためです。
天気のいい日に海辺に立つと、水平線がくっきりと見えます。もし、地球が平らだったら、こうはなりません。地球が平らなら、水平線は無限に遠くにあることになり、霞んでしまうはずだからです。地球が丸いからこそ、水平線までの距離が有限で、はっきり見えるのです。
◆豊富な写真と図版で「地球が丸いから起こること」を視覚的に解説
地球が丸いことは子どもでも知っている科学的事実ですが、なかなかそれを実感できません。子どものころ、「地球は本当に丸いの?」という疑問を抱いても、実感できるようにうまく説明してくれる大人はなかなかいなかったでしょう。納得できないまま大人になってしまった人も、多いのではないでしょうか。
本書は、誰もが幼少期に抱いたこの素朴な疑問に答える図鑑です。たくさんの写真と図版を使って、地球が丸いからこそ起こる「目で見てわかる現象」を解説し、地球の丸さの影響を視覚的に示します。
本書を読めば、空の現象や遠くの風景の中に、普段は見逃している「地球が丸い証拠」が隠れていることに気づくことでしょう。著者は、これまで空や雲の現象を写真で紹介する本を多数著してきた武田康男さん。武田さんは、以前、高校の地学教師だっただけあって、とてもわかりやすく解説してくれます。巻末コラムには、地球の大きさを自分で測る方法や、水平線・地平線までの距離の計算方法も書かれていて、地球のスケール感も得られるようになっています。
本書を読み終えたら、子どもと一緒に山や海へ、あるいはビルの展望台へ、地球が丸い証拠を見つけに行ってはいかがでしょうか。きっと、お子さんは「地球は丸い」ことを納得してくれることでしょう。親子でも楽しんでいただきたい一冊です。
(担当/久保田)
目次
はじめに
第1章 水平線がはっきり見えるということ
第2章 水平線の向こうの景色が沈んで見える
第3章 遠く離れると富士山が下がっていく
第4章 山に登ると地平線が下がる
第5章 太陽の道、月の道
第6章 空に地球の影が見える
第7章 南極と日本で月の模様が逆さになる
第8章 朝焼け・夕焼け・夜光雲・人工衛星
第9章 宇宙からの地球、距離と見え方の違い
コラム1 地球の大きさを測る
コラム2 水平線までの距離を計算する
著者紹介
武田康男(たけだ・やすお)
1960年、東京都生まれ。東北大学理学部卒業後、千葉県立高校教諭(理科)。第50次南極地域観測越冬隊員。気象予報士、空の写真家。日本気象学会会員、日本雪氷学会会員。現在、大学の客員教授・非常勤講師、講演、執筆、写真・映像撮影などをしている。著書に『楽しい気象観察図鑑』『世界一空が美しい大陸 南極の図鑑』『雪と氷の図鑑』(以上、草思社)、『雲の名前、空のふしぎ』『不思議で美しい「空の色彩」図鑑』(以上、PHP研究所)、『武田康男の空の撮り方』(誠文堂新光社)など。
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