草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

『枕草子』に魅せられたフィンランド人女性による自伝的エッセイ『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』ミア・カンキマキ著 末延弘子訳

清少納言を求めて、フィンランドから京都へ

ミア・カンキマキ 著 末延弘子 訳

◆仕事に行き詰まったアラフォーシングル。新しい人生への旅立ち
 仕事にも人生にもうんざりしたアラフォーシングルのフィンランド人「私」は、長期休暇制度を使って日本へ旅立つ。目的は「清少納言を研究する」ため――。
 本書は、フィンランド人女性作家によるデビュー作。遠い平安朝に生きた憧れの女性「セイ」を追いかけて、ヘルシンキから京都、ロンドン、プーケットを旅する自伝的長編エッセイです。

◆北欧人から見た日本の魅力、仲間たちとの交流
 うだるような京都の夏の暑さ、ゴキブリだらけの「ガイジンハウス」、同居人たちとのドタバタ劇、博物館や図書館での資料探し、東日本大震災による精神的混乱、深夜のバーでの友との語らい、この世のものとは思えないほど美しい桜、女性が生きていくことの困難さ……。清少納言を追い求めながら、語り手は様々な印象深い体験を重ねていきます。
 本国では「何度も読みたい本」「人生を変える勇気をくれた」「転職する気になった」「これまでしようと思っていたことを実行することに決めた」などと評され、フィンランド旅行誌「モンド」の旅の本賞、ヘルシンキ首都圏図書館文学賞を受賞しました。
 新しい人生へと旅立つ期待と不安を、鮮烈に描いた本作。是非ご一読ください。

【目次】
Ⅰ 始まり。十月
   清少納言について知っていること
Ⅱ エスポー。冬から夏
   長期休暇――助成金――研究――傲慢と恐怖――引っ越しと出発
Ⅲ 平安京へのタイムスリップ
   美と歌の世界
   平安時代の女たち
   仮名文字
Ⅳ 京都。九月
   暑さ――同居人たち――町
   『枕草子』とは何だったのか。様々な伝本
Ⅴ 京都。九月。第二部
   歌舞伎――石庭――坐禅――能――芸者たち
   空っぽの部屋、つまり平安時代の調度品
   後宮、つまり女たちの世界
Ⅵ 京都――九州。十月
   庭園――宇治――比叡山――金運稲荷たち――列車の旅――美容院にて――手蹟テスト――苔庭にて――セイ、あなたが見える
   宗教と食事について
   セイ、あなたはどう思われている?
   友だちノート、つまり清少納言って誰?
Ⅶ 東京――京都。十一月
   大都市――日文研塹壕――ヴォーグ
   嫌味なセイとムラサキ――二人の宮廷女房の争い
Ⅷ フィンランド――ロンドン、冬
   ものづくしの秘密
   ヴァージニア・ウルフと女性事情――セイ
   四十二人のセイ――訳書
   脱線とセイの後継者たち――文学、映画、音楽
Ⅸ 男たちと恋人たち
   恋人との逢瀬
   平安時代の男たち
   セイの男たちと子どもたち
Ⅹ 津波――タイ
Ⅺ 京都。四月
   桜――もののあはれ――兼好と私
   源氏狩り
   和歌テスト
Ⅻ 京都。五月
   坐禅――舞踏――レイのバー
   春画よ、セイ
   宴会と酒飲みについて
   セイの運命
XIII 脱ぐこと、纏うこと
   最後の質問、つまり『枕草子』とは何だったのか?
XIV 終わり――始まり。ノルマンディー、八月から九月

謝辞
あとがき
親愛なるミア・カンキマキさん――訳者解説
参考文献

(担当/渡邉)

著者紹介
ミア・カンキマキ(Mia Kankimäki)
1971年、フィンランドのヘルシンキ生まれ。国立ヘルシンキ大学比較文学専攻卒業。編集者、コピーライターとして活動した後、本作でデビュー。日本文化に精通していて、生け花の師範でもある。第二作『夜に私が思う女たち』(未邦訳)。これまでにフィンランド旅行誌「モンド」旅の本賞、ヘルシンキ首都圏図書館文学賞、オタヴァ書籍財団ノンフィクション賞を受賞。

訳者紹介
末延弘子(すえのぶ・ひろこ)
東海大学文学部北欧文学科卒業。フィンランド国立タンペレ大学フィンランド文学専攻修士課程修了。白百合女子大学非常勤講師。フィンランド現代文学、児童書の訳書多数。2007年度フィンランド政府外国人翻訳家賞受賞。

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ガミガミ叱らない子育てが子どもの能力を最大化する本当の理由『お母さんが知らない伸びる子の意外な行動』齋藤浩著

お母さんが知らない伸びる子の意外な行動

公立小学校教諭 齋藤浩 著

■子どもが伸びるためのたった1つの簡単なきっかけ
 子どもはかわいいけれど、余裕がなくなるとついイライラしたり、怒鳴ってしまったり…。なかなか思い通りにいかない自分の子育てにこのままでいいのか不安を感じているお母さんは多いものです。

 本書はそんなお母さんたちに向け、35年もの長い間小学校の現場で数多くの子育てに関する悩み相談を受けてきたベテラン教諭が、お母さんたちの子育てがそのままでいかに正しい方向に進んでいるのかを明示するものです。お母さんたちが自らの子育てを肯定し、子どものありのままを受け入れることこそが、子どもたちに変化を起こし、多種多様な能力を伸ばしていく土壌になると断言します。

■「これって、もしかしたら長所かも?」伸びる子は一見するとヘンな行動を取るものです
 子どもが持っている性格や特質は、何事も表裏一体です。往々にして“問題行動”の裏に子どもの長所が隠されていることが多いのです。従って今は悪いように見えても、けっして悲観することはないと著者は説きます。たとえ子どもの言動で問題があると感じても、すぐ否定せずその延長上を見るように努めることが肝要なのです。

 例えばお腹が空いたら冷蔵庫から食べ物を出して勝手に食べている子に対して、「お腹が空いたからって、どうして冷蔵庫を開けて食べてるの! ママ、このチーズ使おうと思ってたのに」と言ってしまうと、子どもは次から勝手に冷蔵庫を開けないばかりか、自分から勝手に行動してはいけないというメッセージと受け止めます。

 でも、この行動を子どもに主体性が身に付きつつある良い兆しだと捉えられれば、
「ママの助けを借りずに、よく自分で食べられるものを探したわね」とほめる言葉が出てくるでしょう。子どもは信じてもらえれば、その期待に応えようとするものです。「じゃあ今度はもっとママを助けよう」と思い、さらに主体性を発揮し、やがて自炊するようになることも期待できます。
 子どもの行動を否定せず、ありのままを受け入れることこそ、親にとっても子どもにとってもより良い結果につながっていくのです。
 子育て中の方にはぜひ手にとっていただきたい一冊です。たくさんの気づきが得られることでしょう。

(担当/吉田)

お母さんが知らない 伸びる子の意外な行動●目次           

はじめに 子どもが心配でたまらないのがお母さんです 

Part1 その“問題行動”の裏に、子どもの長所が隠されています
ウチの子は真面目過ぎて心配という親/ウチの子は元気過ぎて心配という親/社会に出て必要な力とは?/子どもは意外なところで伸びている/間違ったダメ出し、していませんか? 
Part2 その行動、コミュニケーション能力が高い証拠です
 ◎コミュニケーションとは分かち合い 
 ①学校での生活編 
給食中でもおしゃべりが止まらない/ときに取っ組み合いのケンカをする/嫌いなおかずを食べたくないと言い張る/自分が仕事を頼まれたのに友だちに丸投げする/怒られてもいつも返事だけは良い 
 ②家庭での生活編 
知らない子でも普通に家に連れてくる/友だちと遊ぶのに電話より口約束してくる/学校であったことを何でも細かく伝えようとする/雨が降ったら軒下で雨宿りする/宿題が終わっていないのに隠れて遊びに行ってしまう
Part3 その行動、主体性がある証拠です
 ◎子どもの意志や判断を尊重していますか 
 ①学校での生活編 
忘れ物をしても隣のクラスから平気で借りてくる/体育が楽しみで廊下を走ってしまう/みんなが外遊びに行っても一人残って教室で本を読む/授業時間になっているのを気付かず校庭で遊んでいる /給食でいろいろな食べ方を試す
 ②家庭での生活編 
家で料理ばかり作っている/玄関にランドセルを置きっぱなしで遊びに行く/お腹か空いたら冷蔵庫から何か出して勝手に食べている/朝早く起きて宿題の続きをやる/放課後の居場所がまったく特定できない

Part4 その行動、チャレンジ精神がある証拠です
 ◎たくさん失敗する意義 
 ①学校での生活編 
雨でもずっと校庭で楽しそうに遊んでいる/行ってはいけないという所に思わず行ってしまう/給食を食べる速さを競い合う/一度は学校に泊まってみたいと言う/ときにやたらと張り切って宿題を頑張ってくる 
 ②家庭での生活編 
わざわざ道にできた水たまりに入っていく/家から離れた知らない場所に遊びに行きたがる/プールを作ると言って空き地に穴を掘る/生き物をつかまえてきて上手に飼育する/一度に読み切れないほど何冊もの本を借りてくる
Part5 その行動、ストレス耐性がある証拠です
 ◎子どもたちを待ち受ける未来に備えて 
 ①学校での生活編 
窓ガラスを割ったくらいでは全然しょげない/汗がたれていても拭かない/水道水があるから水筒は要らないと言う/休み時間にひたすら鶴を折り続ける/授業中、わからなくてもよく手を挙げる 
 ②家庭での生活編 
取っておいたお菓子が湿気って食べられなくなった経験がある/何時間でも生き物を観察している 179/いつも早寝早起き/きょうだいでよくケンカする/へそを曲げたらてこでも動かない
おわりに 伸びる子は案外ヘンなんです 
正解のない子育て/前向きにとらえたい育てにくさ/やはりいい線行ってるのでは?/今日からチャレンジ

著者紹介

齋藤浩(さいとう・ひろし)

1963(昭和38)年、東京都生まれ。横浜国立大学教育学部初等国語科卒業。佛教大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。現在、神奈川県内公立小学校教諭。日本国語教育学会、日本生涯教育学会会員。これからの時代に合った学校教育の在り方を研究している。著書に『子どもを蝕む空虚な日本語』『教師という接客業』(以上、草思社)、『理不尽な保護者への対応術』『“学校のルーティン”を変えてみる』(以上、学事出版)などがある。

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「トレーニングのためのトレーニング」からどう脱却するか? ウェイトトレーニングの常識がガラリと変わる最新理論!『VBT トレーニングの効果は「速度」が決める』長谷川裕著

VBT トレーニングの効果は「速度」が決める

長谷川裕 著

 本書のタイトルであるVBT(Velocity Based Training)とは、「速度=Velocity」を基準におこなうトレーニングという意味です。従来のウェイトトレーニングは最大挙上重量(全力で1回だけ持ちあげられる重さ)の数値にもとづいて「〇㎏×▽セット」とメニューを設定していたのですが、この「古典的トレーニング法」の限界が明らかになるにつれ、急速に注目され始めているトレーニング理論が「挙上速度」を基準とするVBTなのです。
 VBTは、各々のトレーニング課題やコンディションに合わせてウェイトトレーニングの強度と量を自動的に調整し、確実に目標達成へと導くトレーニング方法で、挙上速度のモニタリングによって「疲労させるだけの無駄なトレーニング」を省くことができるという大きなメリットを有しています。「トレーニングのためのトレーニング」を脱却するためには絶対に押さえておかなくてはいけないトレーニング理論なのです。
 著者はスポーツ科学の研究者で、とくにアスリートのパフォーマンス分析の研究をメインに幅広く活動してきました。教鞭をとっている龍谷大学で学生の指導にあたるだけではなく、名古屋グランパスエイト(コンディショニングアドバイザー 、2004~08年)、本田技研工業ラグビー部Honda Heat(スポーツサイエンティスト、2008~2011)といったトップチームでのキャリアもあります。本書は、理論と実践の両輪でトレーニングを考察しつづけてきた著者の集大成ともいえる一冊です。そもそも、なぜ今VBTなのか、VBTにはどのようなトレーニング効果があるのか、VBTをどのように実践するのかといった中心的な内容に加えて、VBTを理解するうえで欠かせないバイオメカニクスや運動生理学についてもわかりやすく解説することで、トレーニング全般についても理解が深まる一冊になっています。スポーツの現場で指導にあたっているトレーナーやコーチの方だけでなく、一般のトレーニング愛好者にも役に立つ「トレーニングサイエンスの参考書」といえます。

◆本書「はじめに」より抜粋
 日本のスポーツ競技力はかつてに比べれば多くの種目で世界と同等に戦えるレベルにまで向上し、少なくない種目でトップレベルに手が届くようになってきました。ワールドカップで世界の強豪と同等に渡り合えるようになったラグビーしかり、世界のトップに上り詰めた女子アイススケートしかりです。
 こうした背景の1つには、最新のトレーニング科学の成果に基づいて処方された緻密なプログラムを、客観的なデータに基づいて徹底的に効率を追求して取り組まれているウェイトトレーニングがあります。それが本書で紹介するVBTです。(中略)
 しかし国内には、まだまだこうしたウェイトトレーニング法の存在に気づかず、何キロのウェイトを何回持ち上げればよいかということだけを追求し、重ければ重いほどいい、持ち上げる回数は多ければ多いほどいい、ウェイトトレーニングで疲れて少々身体が重くなるのは仕方がないことだ、強くなるためにはそれに打ち勝って追い込まなければ……と、涙ぐましい努力をしている選手やチームがまだまだ存在します。そしてトレーニング科学を学んで資格を取得したはずのトレーニング指導者の中にも、ウェイトトレーニングにおける挙上速度のデータを用いて行うVBTについて知らない、聞いたことはあるけれども十分理解できていないため導入に至っていないという人がまだまだ多数おられます。
 本書は、こういう選手や指導者に最先端のトレーニング科学の成果であるVBTというウェイトトレーニング法を知っていただき、その科学的根拠から理解を深めていただいて、スポーツパフォーマンスと生活の質やレクリエーションのレベルをさらに向上させるという目的のために自信を持ってVBTを導入していただけるようになることを目的としています。
 すでにVBTを導入している選手や指導者には、VBTに関するより深い理解と最新の研究成果を踏まえさらに進んだ方法をご自身で工夫していただくためのヒントを提供できればと考えています。

(担当/碇)

著者紹介

長谷川裕(はせがわ・ひろし)

龍谷大学教授。スポーツサイエンス、とくにパフォーマンス分析の研究に注力。1956年京都府出身。79年筑波大学体育専門学群卒業。81年広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。龍谷大学サッカー部部長・監督(88年~)、ペンシルベニア州立大学客員研究員兼男子サッカチームコンディショニングコーチ(97~98年)、名古屋グランパスエイトコンディショニングアドバイザー(2004~08年)、本田技研工業ラグビー部Honda Heat スポーツサイエンティスト(2008~2011)。スポーツ科学計測テクノロジー・S&C Corporation代表。著書に『IOC hand book-strength training for athletes-』(John Wiley & Sons)『アスリートとして知っておきたいスポーツ動作と身体のしくみ』『サッカー選手として知っておきたい身体のしくみ・動作・トレーニング』(ともにナツメ社)、訳書に『レジスタンストレーニングのプログラムデザイン』(ブックハウス・エイチディ)『爆発的パワー養成プライオメトリクス』『パフォーマンス向上に役立つサッカー選手の体力測定と評価』(ともに大修館書店)等がある。日本トレーニング指導者協会名誉会長。 JATI認定特別上級トレーニング指導者(JATI-SATI)。

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偉人が遺した品物が雄弁に語る、歴史の豊穣さ『歴史の鑑定人』ネイサン・ラーブ著 ルーク・バール著 冬木恵子訳

歴史の鑑定人

――ナポレオンの死亡報告書からエディソンの試作品まで

ネイサン・ラーブ著 ルーク・バール著 冬木恵子訳

歴史は細部に宿る。そうだとすれば、その細部たる歴史的な遺品を鑑識する眼の確かさこそが、歴史そのものの解像度を高めていくことになると言えます。
本書の著者ネイサン・ラーブ氏は、まさにその鑑識眼の高さにより歴史に貢献し、世界的に注目を集める気鋭の史料文書鑑定家です、。その彼が、自身の鑑定品にまつわるドラマを記した待望の初書籍が本書です。いわばアメリカの「お宝鑑定士」とも呼べる彼は、エディソンの最初期の電線の試作品、ジョン・F・ケネディが暗殺されたときの遺体の処置をめぐる音声テープ、キング牧師が獄中から愛人にしたためた恋文など、教科書に出てくるレベルの偉人の品物を多数取り扱っています。これだけの品をやり取りするのは、一筋縄では行きませんでした。贋作を売りつけようとする悪徳業者や、自分の品の価値を信じて疑わないコレクター。さらには政府が品物の権利を主張してきたり、異性関係の書簡の公開が偉人の名誉を傷つけてしまわないかと煩悶したり。遺品をめぐる様々な思惑のうねりのただ中にいながらも、ラーブ氏は冷静に価値を見極め、 然るべき買い手との交渉をしたたかに成立させていくのです。

ここで数々の遺品の中から、いくつかの禮を紹介します。まずは、ロナルド・レーガンが、娘パティが家族関係について暴露する本の計画をしていた時に、彼女にあてて書いた手紙をご紹介しましょう。
「パティ、おまえはわたしたちを、両親を傷つけている。でも、それ以上に自分を傷つけているよ。わが家は崩壊などしていない。(中略)小さな娘がわたしと一緒に椅子に座って、パパわたしと結婚して、と言っていた。部屋のむこうでは、その母親がわたしに、イエスと言えと合図を送っていた。(中略)その子が子どもだった頃の楽しい思い出がたくさんある。その子の人生を邪魔しようなんて、全く思っていない、」
この文には、家族関係が問題視されていたレーガンの、父としての率直な気持ちが垣間見えます。

また、今年没後200年を迎えるナポレオンですが、まさに200年前に死亡した当時の遺体解剖所見には、以下のように極めて詳細な報告が記されていました。
「遺体の表面からかなり太っているように見えた通り、最初に中央を切開すると、約4センチの厚さの脂肪が腹部を覆っていた。肋骨の軟骨組織を切り進めると、喉の空洞が現れ、肋骨胸膜に左胸膜の小規模な癒着が見られた。赤色の液体約3オンス(約90㎖)が左胸膜腔に見られ、右胸膜腔には8オンス(約240㎖)が見られた。」

大きな世界史や報道の視座からはこぼれ落ちてしまうこのような品物たちが、史実に饒舌な細部を加え、雄弁に真実を伝えるのです。
歴史の重大局面の当事者である遺品の数々は、ディテールにこそ歴史が宿るのかもしれないということを教えてくれます。
歴史が好きな方にはぜひ一度お手に取っていただきたい一冊です。

(担当/吉田)

著者紹介

ネイサン・ラーブ(Nathan Raab)

世界で最も知識と経験のある史料文書の専門家の一人。史料文書の鑑定、復元を専門としている。鑑定業者ラーブ・コレクション代表。Forbesなどの雑誌で歴史コラムも執筆。
ルーク・バール(Luke Barr)
元Travel + Leisure誌の編集者。著作に「Ritz and Escoffier: The Hotelier, The Chef, and the Rise of the Leisure Class」(未邦訳)などがある。

訳者紹介

冬木 恵子(ふゆき・けいこ)
岡山大学文学部史学科卒業。20世紀終盤の一時期を米国ニューヨークで過ごし、様々な美術館や博物館を訪れて心の糧とした。訳書に『美女と野獣』(大日本絵画)、『ジ・アート・オブ モアナと伝説の海』(徳間書店)、『図鑑 世界の文学者』(共訳、東京書籍)などがある。

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「安心・便利な旅」をめぐる語られざる創意工夫の物語『パッケージツアーの文化誌』吉田春生 著

パッケージツアーの文化誌

吉田春生 著

 日本人の「旅」のかなりの部分を担ってきたにもかかわらず、その内実についてはあまり知られていない「パッケージツアー」。この本はその来歴に光を当てる出色の文化誌です。著者は海外旅行の黎明期・拡大期に旅行会社の社員としてさまざまな経験を積み、その後、観光学の研究者に転じて、旅の現場を熟知した立場から日本の観光の在り方を考察してきました。本書では、老若男女問わず気軽に旅を楽しむことができるパッケージツアーの仕組みがどのようにして生まれ、成長してきたかを丁寧に記述しています。
 一言でパッケージツアーといっても、その実態はさまざまです。参加者の多様化しつづけるニーズに旅行会社はどのように応えてきたのか。そして、その結果どのようなパッケージツアーが生まれたのか。本書では著者が所有する過去のツアーパンフレットなどもひもときながらパッケージツアーの進化の歴史を振り返り、その未来像を考察しています。詳しくはぜひ本書をお読みいただきたいのですが、各旅行会社のツアーのコース内容や料金だけではなく、その時代背景についても解説されていて、旅に関心のある方であればまちがいなく興味を惹かれる内容になっています。
 新型コロナウィルスの感染拡大は日本のさまざまな業界に大きなダメージを与えました。なかでも壊滅的な痛手を被ったのが観光業界、旅行会社です。この一年あまりで発生した深刻な事態から回復するのには時間がかかりそうですが、これまで幾多の苦境を乗り越えてきた旅行業界は、今回の危機も新たな創意工夫によって克服できるのではないかと著者は期待しています。そして、「その思いはパッケージツアーを中心とした旅行会社の取り組みの歴史を振り返ることで明確になる」(本書「はじめに」より)のです。コロナ禍によって移動の機会を奪われたことで、私たちは改めて旅することの意味を考えることになりました。日本人の旅を独自の視点で振り返る本書は、思いのほか多彩な「旅の楽しみ」に気づかせてくれる一冊でもあります。

目次
はじめに
序章   パッケージツアー以前――一九六〇年代の海外旅行
第一章  パッケージツアーとは何か  
第二章  パッケージツアーは何を提供しているか
第三章  ビジネスとしてのパッケージツアー
第四章  こんなパッケージツアーがあった
第五章  パッケージツアーの未来
終章   「コロナ以後」はどうなるのか

(担当/碇)

著者紹介

吉田春生(よしだ・はるお)

1947年、名古屋生まれ。1970年、大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)卒業。日本交通公社(現JTB)に約20年間勤務したのち、専門学校の非常勤講師を経て鹿児島国際大学で教鞭をとり、経済学部教授を最後に定年退職。旅の現場を熟知した立場から日本人の旅行・観光の在り方に光を当てる著作多数。主なものに『観光と地域社会』(ミネルヴァ書房、第1回日本観光研究学会「学会賞観光著作賞」受賞)、『新しい観光の時代 : 観光政策・温泉・ニューツーリズム幻想』(原書房)、『ツアー事故はなぜ起こるのか : マス・ツーリズムの本質』 (平凡社新書)、『観光マーケティングの現場 : ブランド創出の理論と実践』(大学教育出版)などがある。

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戦争の心の傷はいかに癒やせるか?退役軍人の心の旅の記録。『帰還兵の戦争が終わるとき』トム・ヴォス著 レベッカ・アン・グエン著 木村千里訳

帰還兵の戦争が終わるとき

――歩き続けたアメリカ大陸2700マイル

トム・ヴォス 著 レベッカ・アン・グエン 著 木村千里 訳

◆戦争が終わっても、兵士の心の平穏は戻らない

先日、バイデン大統領がアフガニスタンから完全撤退することが報道され話題になりましたが、米国同時多発テロを発端とした戦争が、アメリカ兵たち自身に与えた傷の深さはどれほどのものだったのでしょうか。戦争そのものによる米兵の死者は6800人以上とされていますが、退役軍人による自殺はアメリカ合衆国退役軍人省の試算では1日に20人にものぼり、退役後も兵士たちの「心の中の戦争」が終わっていないことが分かります。本書は、イラク戦争に従軍したアメリカ兵士が、戦争で抱えた深い精神の傷にどのように向き合い、傷を癒やしていったかを克明に描き切ります。

◆トラウマに向き合うための2700マイル

トムは、従軍中のミッションで、部隊の判断ミスにより上官を失った経験から退役後も自責の念に苛まれます。追い詰められた彼が、このままではいけないと思い考えついたのが、アメリカ大陸を徒歩で縦断するという途方も無い試みでした。この膨大な距離と時間だけが、自分のトラウマに向き合うことができる唯一の行為だと考えたのです。旅の中で、同じように苦しんでいる退役軍人たちが懸命に生きている姿を見たり、心を鎮める方法にヒントを与えてくれるネイティブアメリカンと出会ったりするなかで、自分が軍人であることでいかに「他人に頼ってはいけない」という考え方にとらわれていたかや、上司の死が自分を責めるべき出来事ではなかったことなどに次第に気づきます。旅の終わりに、物語はひとまずの決着を迎えますが、トムの癒しの本当の旅はこれから先にあります。戦争で受けた凄惨な心の傷が癒えることはありえるのか、深く傷ついた人間の精神がどのようにして回復しうるのか。この深遠な問いに対する一つの解答が、本書にはあります。

(担当/吉田)

著者紹介

トム・ヴォス

2003~2006 年の3年間、アメリカ陸軍で現役勤務。陸軍初のストライカー歩兵旅団の1つ、第25 歩兵師団第1旅団を構成する第21 歩兵連隊第3大隊に所属。前哨狙撃兵小隊の偵察歩兵を務める。

レベッカ・アン・グエン

トムの姉。ノースカロライナ州シャーロットを拠点として活動する作家。

訳者紹介

木村千里(きむら・ちさと)

上智大学文学部英文学科卒業。システムインテグレーターにてシステム開発および英文抄訳に従事したのちフリーランス翻訳者となる。訳書に『ウォートン・スクールの本当の成功の授業』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ウェルビーイングの設計論』(共訳/ビー・エヌ・エヌ新社)、『1440 分の使い方』(パンローリング)、『HYPNOTIC WRITING』(共訳/IMKブックス)がある。

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日本企業が変化に対応できない本当の理由『予測不能の時代』矢野和男 著

予測不能の時代
データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ

矢野和男 著〔(株)日立製作所フェロー/(株)ハピネスプラネットCEO〕

◆『データの見えざる手』から7年。待望の新著、遂に刊行!

 2014年に著書『データの見えざる手―ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』(草思社)でビジネス界に衝撃を与えた研究者による新著が、遂に刊行されることとなりました。『データの見えざる手』は、人々の幸福度がウエアラブルデバイスで計測可能であることや、人間行動の測定と人工知能を組み合わせることで大幅な生産性向上が見込めることを明らかにし、大きな注目を集めました。刊行から今日に至るまで、著者の研究はテレビ・新聞・雑誌やWEB媒体など、数多くのメディアに取り上げられ続けています。
 前著から7年を経て、この間に蓄積した新たな知見や、多くの日本企業の協力を得て行われた大規模な実証実験の成果が、新著にまとめられています。テーマはタイトルにあるとおり「予測不能」。新型コロナの流行など、社会は以前にも増して予測不能に変化するようになっています。現代の企業は「予測不能な変化に、いかにすばやく対応するか」という新しい競争にさらされていると言えるでしょう。著者は、組織が「予測不能な変化」に対応するためには、マネジャーは従業員が幸せであるよう環境を保たなければならない、と言います。いったい、どういうことなのでしょうか?

◆幸せな人が多い企業は、一株当たり利益が高く、生産性も創造性も高い

 予測不能な変化が頻発すると、従業員は新たな環境に対応するため、実験と学習をし、関係者と折衝もして、仕事のやり方を変えるという、非常に面倒なことに挑み続ける必要があります。このような「面倒なこと」こそが、今や最も生産性の高い仕事だからです。これを続けるために、従業員は幸せでなければならない、というのです。実際、ここ20年間のポジティブ心理学や組織行動の研究により、幸せな人は「面倒だが重要な仕事」に積極的であり、幸せな人が多い企業は生産性や創造性が高く、一株当たり利益も高いことが示されています。逆に、幸福感が低いときに、面倒な仕事を後回しにしがちになるというのは、誰しも経験があるでしょう。
 では、従業員を、組織全体を、幸せに保つためにはどうすればいいか? 著者はそのための科学とテクノロジーを研究してきました。今や、著者らが開発した技術により、スマホアプリで組織の幸福度を測定することが可能となっています。また、数多くの日本の企業が参加した実証実験により、組織を幸せな状態に導く介入法の研究が行われており、実際に生産性が向上することが示されているのです。
 この20年間、生産性向上で他国の後塵を拝してきた日本。その日本が再び飛躍する鍵は「幸せ」にある――。日本を再生させる力を秘めた最新研究の成果が詰まった、ビジネスパーソン必読の一冊です。

(担当/久保田)

著者略歴

矢野和男(やの・かずお)
株式会社日立製作所フェロー。株式会社ハピネスプラネット代表取締役CEO。
1959年山形県酒田市生まれ。1984年早稲田大学物理修士卒。日立製作所入社。91年から92年まで、アリゾナ州立大にてナノデバイスに関する共同研究に従事。1993年単一電子メモリの室温動作に世界で初めて成功し、ナノデバイスの室温動作に道を拓く。
2004年から先行してウエアラブル技術とビッグデータ解析を研究。論文被引用件数は4500件、特許出願350件を超える。「ハーバードビジネスレビュー」誌に、開発したウエアラブルセンサが「歴史に残るウエアラブルデバイス」として紹介される。開発した多目的AI「H」は、物流、金融、流通、鉄道などの幅広い分野に適用され、産業分野へのAI活用を牽引した。のべ1000万日を超えるデータを使った企業業績向上の研究と心理学や人工知能からナノテクまでの専門性の広さと深さで知られる。2014年に上梓した著書『データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』(草思社)が、BookVinegar社の2014年ビジネス書ベスト10に選ばれる。
無意識の身体運動から幸福感を定量化する技術を開発し、この事業化のために2020年に株式会社ハピネスプラネットを設立、代表取締役CEOに就任。
博士(工学)。IEEE Fellow。電子情報通信学会、応用物理学会、日本物理学会、人工知能学会会員。日立返仁会副会長。東京工業大学大学院特定教授。
1994 IEEE Paul Rappaport Award、1996 IEEE Lewis Winner Award、1998 IEEEJack Raper Award、2007 Mind, Brain, and Education Erice Prize、2012年Social Informatics国際学会最優秀論文など国際的な賞を受賞し、「人間中心のIoT技術の開発と実用化に関するリーダーシップ」に対し、世界最大の学会IEEEより2020 IEEE Frederik Phillips Awardを受賞。

◆目次◆

まえがき

第1章

 予測不能な変化に立ち向かう
 変化への適応を阻む組織の構造
 「ルール」という罠
 「計画」という罠
 「標準化と横展開」という罠
 「内部統制」という罠
 生産性向上はなぜ重要なのか
 生産性向上はなぜ行き詰まったか
 多様性と変化に対応するための4原則
 第1の原則:実験と学習
 第2の原則:上位目的へのこだわり
 第3の原則:自己完結的な機動力
 第4の原則:「前向きな人」づくりへの投資
 変化に強い組織と弱い組織の違い
 4つの原則は個人にもあてはまる

第2章

 新たな幸せの姿
 変化への対応と幸せと大量のデータ
 ポジティブ心理学の誕生と発展
 「幸せな人は生産性が高い」という発見
 技術が心理研究・人間行動研究を変える
 人間行動を計測するウエアラブル端末
 スマートフォンは人間理解を前進させる
 人間行動センシングで何をしてきたか
 幸せとは何か
 手段としての幸せは人それぞれで多様
 生化学現象としての幸せは人類共通
 幸せの調査と行動計測を同時に行った
 コミュニケーションの多寡は幸せとは関係ない
 幸せな組織の普遍的な4つの特徴「FINE」
 つながりに格差や孤立がない(フラット)
 短い会話の頻度が高い(インプロバイズド)
 会話中の身体運動(ノンバーバル)
 発言権の平等性(イコール)
 幸せで生産性の高い組織をつくる4条件
 幸せで生産的な組織のマネジメント
 心理的安全性の確保がマネジメントの基本

第3章

 幸せは天下のまわりもの
 無意識の身体の運動から「幸せ」がわかる
 身体運動データの中にある「幸せの配列」
 身体運動の計測だけで幸せが測れる
 「よい幸せ」と「悪い幸せ」が区別可能に
 幸せは天下のまわりもの
 幸せは経済現象か物理現象か
 いかに生きるべきか

第4章

 幸せとはスキルである
 幸せの3つの時間軸
 幸せを高める能力「心の資本=HERO」
 HEROを育むにはどうすればいいか
 心の資本と私
 ホープ/エフィカシーはこうして高めた
 既に持っているもので始める
 「実験と学習」で道を見つけていく
 資源と権限は、実績によって獲得する
 成功に必要なことは何でもやる
 自分の役割は自分で決める
 レジリエンス/オプティミズムはこうして高めた
 仕事の上位目的にこだわり、手段にこだわらない
 大義の威力
 困難を最高の学びの機会にする
 新たな人との出会いを活用する
 最終的に仕事のやり方はどう変わったか
 幸せは、新事業創生を可能にする
 エフェクチュエーションとコーゼーション
 各言語に表れる幸せの多様性
 日本のしあわせは「人との交わり」

第5章

 変化に向き合うマネジメント
 今や人こそが企業の価値の源泉
 人的資本のものさしをつくる
 組織のレントゲン写真「人的資本マップ」
 「ウエルビーイングケア」が可能になる
 組織の病としての「孤立」
 孤立へのテクノロジーを使った処方箋
 組織へのデジタルなクスリ:X施策とY施策
 幸せを求める心につけ込むコロナウイルス
 幸せなリモートワークのための4箇条
 雑談支援のためのデジタルなクスリ

第6章

 変化にデータで向き合う
 データやAIに関する議論はリセットが必要
 データは過去をまねるためのものか?
 あまり認識されていない「統計学の限界」
 予測不能に対応するためのデータ活用
 過去の延長からの乖離を検知し対処する
 注目すべきは変化をもたらす「力」の存在
 データとAIは行動を支援するもの
 データによるガバナンスの3つのレベル
 「ルール廃棄ができない組織」からの脱却

第7章

 格差の本質
 格差は社会の発展に制約を与える
 格差の原因は何か
 ハイエクとフリードマンの自由主義経済
 完全に平等な取引からも格差は生まれる
 格差は「エントロピー増大」の帰結である
 不平等を拡大させるルールの存在
 勝者優遇のルールが格差を拡大させる
 因果応報で格差拡大する例:書籍売上
 平等は自然には現れず、意識的にしかつくれない
 格差回避の本丸、教育
 学歴と賢さは必ずしも関係ない
 格差とは量子効果である

第8章

 予測不能な人生を生きる
 幸せとは「状態」ではなく「行為」である
 予測不能と向き合う最古の方法『易』
 「未知の変化への対応力」は退化してきた
 『易』の変化の理論とはどのようなものか
 二項対立を俯瞰・統合し突破する能力
 変化に立ち向かう力を高める方法
 視点の柔軟性が人生を変える
 「オプティミズム」訓練のための16個の視点
 16個の変化に立ち向かう視点
 受けとめる「0000」
 覚悟する「0100」
 求める「0001」
 立ち向かう「0101」
 始める「1000」
 やってみる「1100」
 交わる「1001」
 踏み出す「1101」
 信頼する「0010」
 教わる「0110」
 心開く「0011」
 感謝する「0111」
 結束する「1010」
 協調する「1110」
 対等になる「1011」
 協創する「1111」

あとがき

 日本が世界に誇るべき概念「道」
 年齢と創造性
 しあわせ憲法

参考文献

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Amazon:予測不能の時代 データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ:矢野和男 著:本

楽天ブックス:予測不能の時代 データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ:矢野和男 著:本