草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

ノンフィクション(海外)

すべては台湾の未来のために『台湾からの亡命者 王育徳の矜持 一生を祖国の夜明けに捧ぐ』近藤明理 著

台湾からの亡命者 王育徳の矜持 ――一生を祖国の夜明けに捧ぐ 近藤明理 著 台湾・頼清徳総統、推薦! 「台湾独立運動の父」の波瀾の生涯を実娘が繊細な筆致でつづる。 本書は、戦後の日本において台湾独立運動のさきがけとなり、また台湾語研究の権威としても…

刑務所で医師が見つめた受刑者たちの心の傷。『プリズン・ドクター 英国の刑務所で働く女性医師の診察録』アマンダ・ブラウン 著 倉骨彰 訳

プリズン・ドクター ――英国の刑務所で働く女性医師の診察録 アマンダ・ブラウン 著 倉骨彰 訳 女性医師が飛び込んだ刑務所での任務 英国の刑務所の奥深くには、私たちが普段目にすることのない、剥き出しの人間ドラマが渦巻いている。一人の女性医師が綴った…

インチキなAIに振り回されているわたしたちへの処方箋『AI過大評価社会 AIには何ができて、何ができないか』アルヴィンド・ナラヤナン、サヤシュ・カプール 著 的場知之 訳

AI過大評価社会 ――AIには何ができて、何ができないか アルヴィンド・ナラヤナン、サヤシュ・カプール 著 的場知之 訳 このところ、「AIで世界が滅びる」であったり、「AIですべての問題が解決する」など、AIの高性能さを無条件に前提したような主張が多く目…

道路から見える、動物たちと人間の未来とは 『道路をわたる動物たち 道路生態学からみる生き物たちの未来』ベン・ゴールドファーブ 著 木高恵子 訳

道路をわたる動物たち ――道路生態学からみる生き物たちの未来 ベン・ゴールドファーブ 著 木高恵子 訳 道路は、物流を拡大し人類の文明に大きな進展をもたらしました。しかしその一方、動物たちから見れば、ロードキルや生息地の分断など、深刻な被害を与え…

中国が台湾に固執しつづける理由とは?『【文庫】「中国」という捏造 歴史・民族・領土・領海はいかにして創り上げられたか』ビル・ヘイトン 著 小谷まさ代 訳

【文庫】「中国」という捏造 ――歴史・民族・領土・領海はいかにして創り上げられたか ビル・ヘイトン 著 小谷まさ代 訳 *第7章「『領土』の捏造」より要約 中国が台湾に固執しつづける理由とは? 「境界の外側」から「不可欠な領土」へ 現代において中国(…

ヒトラーはなぜ「合法的」に権力を掌握できたのか? 世界の運命を決めた半年を克明に描く!『ヒトラー、権力までの180日』ティモシー・W・ライバック 著 山田美明 訳

ヒトラー、権力までの180日 ティモシー・W・ライバック 著 山田美明 訳 本書は、アドルフ・ヒトラーがドイツ首相に任命されるまでの約半年間(ナチスが議会で第一党になった1932年7月末~ヒトラーが首相になった1933年1月末)の緊迫した政治プロセスを、当…

遊牧民族がグローバル世界の基盤を創った!『大草原の帝国 ユーラシアステップの遊牧民族4500年史(上・下)』ケネス・W・ハール 著 水野克彦 訳

大草原の帝国(上・下) ――ユーラシアステップの遊牧民族4500年史 ケネス・W・ハール 著 水野克彦 訳 ユーラシアステップ地帯の4500年にわたる抗争と融和の歴史 ユーラシア大陸の中央にひろがる広大な草原地帯。その地に生きた最初期の遊牧民族から、無敵の…

なぜ美術館が狙われるのか。ミステリー小説よりも面白いノンフィクション『美術館強盗事件簿 10ヵ国10事件の顛末』フィリップ・デュラン 著 神田順子、田辺希久子 訳

美術館強盗事件簿 ――10ヵ国10事件の顛末 フィリップ・デュラン 著 神田順子、田辺希久子 訳 2025年10月19日にフランス王室ゆかりの宝飾品8点がパリのルーヴル美術館から盗まれた事件はまだ記憶に新しいことでしょう。世界的に名高いあのルーヴルから美術品が…

予測にまつわる奇妙な実話を数学で読みとく『「予想外」を予想する方法』キット・イェーツ 著 冨永星 訳

「予想外」を予想する方法 キット・イェーツ 著 冨永星 訳 ◆「予想外」の出来事にビックリさせられるのは、なぜ? 本書は、古今東西の予測にまつわる奇妙な実話を、数学で読み解いていく本です。 信じがたい偶然、嘘から出た誠、番狂わせ、見当違いなどの「…

崩壊の現場」から人類の現在と未来を考察する知的刺激に満ちたルポルタージュ!『廃墟のヨーロッパ』国末憲人 著

廃墟のヨーロッパ 国末憲人 著 かつて世界の中心だったヨーロッパは、二十世紀を通して大小の戦争と先鋭的なイデオロギー対立、民族紛争の舞台となり、数えきれないほどの「廃墟」を残すことになりました。本書『廃墟のヨーロッパ』は、長年、新聞社の記者と…

麻布台ヒルズの設計で世界を熱狂させる、希代の建築家のビジュアル・マニフェスト!『HUMANISE 建築で人間味のある都市をつくる』トーマス・ヘザウィック 著 牧尾晴喜 訳

HUMANISE 建築で人間味のある都市をつくる トーマス・ヘザウィック 著 牧尾晴喜 訳 2012年オリンピックの聖火台や上海万博パビリオンのウニのような建物で日本でも一躍話題になり、ついに麻布台ヒルズで日本でも作品が実現した、建築家トーマス・ヘザウィッ…

量子力学が社会の基盤を脅かす?『すべては量子力学のせい 「世界一成功した理論」についての傍若無人なガイド』ジェレミー・ハリス 著 広林茂 訳

すべては量子力学のせい ――「世界一成功した理論」についての傍若無人なガイド ジェレミー・ハリス 著 広林茂 訳 ◆あなたの人生に、量子力学はどういう意味を持っている? 量子力学は科学研究の基礎であるのみならず、コンピューターからレーザー、LEDなどあ…

「習近平」とは何者なのか?『紅い皇帝 習近平』マイケル・シェリダン 著 田口未和 訳

紅い皇帝 習近平 マイケル・シェリダン 著 田口未和 訳 党・国家・軍を支配下に置いた終身国家主席 現在の中華人民共和国には三つの権力が存在する。中国共産党総書記、国家主席、軍事委員会主席(人民解放軍)であり、習近平はひとりでこの三権を掌握してい…

きみはエドワード・ウィルソンを知っているか?生物学の最重要人物に迫る『生物学を進化させた男 エドワード・O・ウィルソン』リチャード・ローズ 著 的場知之 訳

生物学を進化させた男 エドワード・O・ウィルソン リチャード・ローズ 著 的場知之 訳 生物学者であるエドワード・オズボーン・ウィルソン(1929-2021)。彼が生物学、そしてそれ以外の領域において与えた影響は計り知れなく大きいのですが、日本では必ずし…

追いつめられる金一族、成熟しない韓国政治。またもや半島が波瀾の目に。『自壊する北朝鮮 分裂する韓国』西岡力 著

自壊する北朝鮮 分裂する韓国 西岡力 著 北朝鮮が父祖以来の「南北統一」を国是から外したのは2023年の末だった。本書のカバー写真で使われている「三大憲章統一塔」などの各地の巨大記念物は2024年1月には撤去・破壊されている。憲法も変えたし、国内や国外…

作品を深く見つめ続けた者だけに描ける、本物の美術の物語。『画家たちの「肖像」 ジョン・バージャーの美術史 古代-近代/近代-現代』ジョン・バージャー 著 トム・オヴァートン編 藤村奈緒美 訳

画家たちの「肖像」 ジョン・バージャーの美術史 古代-近代 画家たちの「肖像」 ジョン・バージャーの美術史 近代-現代 ジョン・バージャー 著 トム・オヴァートン編 藤村奈緒美 訳 ジョン・バージャーは、『見るということ』『イメージ』など美術批評の仕事…

セクハラ、DV、マッチングアプリの詐称の起源を、進化から読み解く『有害な男性のふるまい 進化で読み解くハラスメントの起源』デヴィッド・M・バス 著 加藤智子 訳

有害な男性のふるまい ――進化で読み解くハラスメントの起源 デヴィッド・M・バス 著 加藤智子 訳 職場でのセクハラ、マッチングアプリでの出会いにおけるウソのプロフィール。あるいは、恋人に対する暴力、破局後のストーカー行為、DVから、ごく普通の夫婦間…

経済を武器に世界をがんじがらめにする共産党中国の見えない戦争『中国はいかにして経済を兵器化してきたか』ベサニー・アレン著 秋山勝訳

中国はいかにして経済を兵器化してきたか ベサニー・アレン著 秋山勝訳 年々、軍事的脅威をあからさまに見せつけている中国は、一方では世界第2位のDGPの経済力と世界中の企業の垂涎の的である巨大市場を背景として、世界経済への見えない支配力を強めて…

勇気を与えられる「女たち」の物語『眠れない夜に思う、憧れの女たち』ミア・カンキマキ 著 末延弘子 訳

眠れない夜に思う、憧れの女たち ミア・カンキマキ 著 末延弘子 訳 本書は、フィンランド人作家ミア・カンキマキによる第二作です。デビュー作『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』は、遠い平安朝に生きた憧れの女性「セイ」を追いかけて、ヘルシン…

フランスの人気作家が自在な筆致で「聖なる文字」の世界に誘います!『楽しいヒエログリフ入門』クリスチャン・ジャック 著 鳥取絹子 訳

楽しいヒエログリフ入門 クリスチャン・ジャック 著 鳥取絹子 訳 この本は、2001年に紀伊國屋書店から刊行された『クリスチャン・ジャックのヒエログリフ入門』の改題・新装版です。原題はLE PETIT CHAMPOLLION ILLUSTRÉ(図説プチ・シャンポリオン)、シャ…

ソルニットにも影響を与えた、英国稀代の批評家の傑作集 『批評の「風景」 ジョン・バージャー選集』ジョン・バージャー著 トム・オヴァートン編 山田美明訳

批評の「風景」 ジョン・バージャー選集 ジョン・バージャー 著 トム・オヴァートン 編 山田美明 訳 ジョン・バージャーは英国が誇る美術批評家で「イギリスのベンヤミン」などとも評されます。『見るということ』や『イメージ』などの著作で日本でも確固た…

ジョブズにも影響を与えた、「生ける伝説」の渾身の評伝 『ホールアースの革命家 スチュアート・ブランドの数奇な人生』ジョン・マルコフ 著

ホールアースの革命家 スチュアート・ブランドの数奇な人生 ジョン・マルコフ 著 服部桂 訳 「Stay hungry. Stay foolish.」から50年。スティーブ・ジョブズが2005年6月にスタンフォード大学の卒業式スピーチで口にし、一躍有名になった「Stay hungry. Stay …

ラスト・トリオのドラマーの回想記『ビル・エヴァンス・トリオ 最後の二年間』ジョー・ラ・バーベラ・チャールズ・レヴィン 著 荒井理子 訳

ビル・エヴァンス・トリオ 最後の二年間 ――TIMES REMEMBERED ジョー・ラ・バーベラ・チャールズ・レヴィン 著 荒井理子 訳 瀕死のビル・エヴァンスを病院に送る 1980年9月15日、マンハッタンのマウントサイナイ病院でビル・エヴァンスはその生涯を閉じた。51…

殺人者はどう裁かれるべきか?『殺人者たちの「罪」と「罰」 イギリスにおける人殺しと裁判の歴史』ケイト・モーガン著 近藤隆文・古森科子訳

殺人者たちの「罪」と「罰」 ――イギリスにおける人殺しと裁判の歴史 ケイト・モーガン 著 近藤隆文・古森科子 訳 「殺人」とは何か? そして「殺人者」を裁く法はどのような経緯で成立したのか? 実際に起きた驚愕の事件を俎上にのせ、「正しい裁き」をめぐ…

アアルト夫妻の素顔に手紙から迫る、貴重なドキュメント!『アイノとアルヴァ アアルト書簡集』ヘイッキ・アアルト=アラネン 著 上山美保子 訳

アイノとアルヴァ ――アアルト書簡集 ヘイッキ・アアルト=アラネン 著 上山美保子 訳 フィンランドが生んだ世界的なデザイナーにして建築家であるアアルト。2023年10月には日本でも映画『アアルト』が公開され、そのデザインはわが国で人気が高まり続けている…

なぜ数学者には黒板が必要不可欠なのか? 『数学者たちの黒板』ジェシカ・ワイン著 徳田功訳

数学者たちの黒板 ジェシカ・ワイン著 徳田功訳 誰もが、かつて黒板に板書された授業の内容をノートに写して勉強した経験があると思います。その意味で黒板は身近とも言えますし、一方である時期を過ぎれば疎遠になってしまうものでもあります。そんな黒板は…

破綻国家・北朝鮮がなぜミサイルを撃ちつづけられるのか?『ラザルス 世界最強の北朝鮮ハッカー・グループ』ジェフ・ホワイト著 秋山勝訳

ラザルス ――世界最強の北朝鮮ハッカー・グループ ジェフ・ホワイト著 秋山勝訳 日本政府が名指しで非難、注意喚起をうながした「ラザルス」グループとは? 昨年10月、警察庁・金融庁・内閣サイバーセキュリティ―センターが連名で、「北朝鮮の下部組織」とし…

現代中国の政治とビジネスの関係をこれほどヴィヴィッドに描いたものは珍しい。『私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット』デズモンド・シャム著 神月謙一訳

私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット ーー中国の富・権力・腐敗・報復の内幕 デズモンド・シャム著 神月謙一訳 本書は上海の貧しい教師の家に生まれた著者が新中国の経済発展の時代に生きて大成功をおさめ、そして習近平時代を迎えて失脚するまでを…

戦争の心の傷はいかに癒やせるか?退役軍人の心の旅の記録。『帰還兵の戦争が終わるとき』トム・ヴォス著 レベッカ・アン・グエン著 木村千里訳

帰還兵の戦争が終わるとき ――歩き続けたアメリカ大陸2700マイル トム・ヴォス 著 レベッカ・アン・グエン 著 木村千里 訳 ◆戦争が終わっても、兵士の心の平穏は戻らない 先日、バイデン大統領がアフガニスタンから完全撤退することが報道され話題になりまし…

生まれながらのランナーが、走ることの本当の意味に気づくまでの物語『人生を走る ウルトラトレイル女王の哲学』リジー・ホーカー著

人生を走る ――ウルトラトレイル女王の哲学 リジー・ホーカー著 藤村奈緒美 訳 過酷な長距離競技で圧倒的な記録をもつ女性ランナーのメモワール リジ-・ホーカー氏は、2005年、博士課程終了の記念イベントにと、長距離陸上競技のなかでも特に過酷であるとさ…