草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

外国歴史

人はどのように死んできたのか。『死因の人類史』アンドリュー・ドイグ 著 秋山勝 訳

死因の人類史 アンドリュー・ドイグ 著 秋山勝 訳 有史以来のさまざまな死因とその変化の実相を科学的・歴史的・社会的視点から検証した壮大な “死” の人類史。 14世紀イタリア・シエナ、黒死病が覆いつくす(本文より) 1347年、当時、シエナは中央イタリア…

三〇通りの理想と現実の折り合いの付け方『英米の大学生が学んでいる政治哲学史』グレアム・ガラード/ジェームズ・バーナード・マーフィー 著

英米の大学生が学んでいる政治哲学史 ――三〇人の思索者の生涯と思想 グレアム・ガラード 著 ジェームズ・バーナード・マーフィー 著 神月謙一 訳 孔子、プラトン、マキャヴェッリ、ルソー、トクヴィル、マルクス、クトゥブ、アーレント、ロールズ、ヌスバウ…

その翻訳、機械まかせでいいですか?先人に学ぶ翻訳の本質『生と死を分ける翻訳 聖書から機械翻訳まで』アンナ・アスラニアン著 小川浩一訳

生と死を分ける翻訳 ――聖書から機械翻訳まで アンナ・アスラニアン著 小川浩一訳 いまでは機械翻訳が驚くほど発達し、翻訳が手軽かつ身近になりました。しかし、この翻訳・通訳という行為は、その過去を振り返って見ると、数々の歴史的な重大局面にかかわっ…

フランスの人気作家が自在な筆致で「聖なる文字」の世界に誘います!『楽しいヒエログリフ入門』クリスチャン・ジャック 著 鳥取絹子 訳

楽しいヒエログリフ入門 クリスチャン・ジャック 著 鳥取絹子 訳 この本は、2001年に紀伊國屋書店から刊行された『クリスチャン・ジャックのヒエログリフ入門』の改題・新装版です。原題はLE PETIT CHAMPOLLION ILLUSTRÉ(図説プチ・シャンポリオン)、シャ…

殺人者はどう裁かれるべきか?『殺人者たちの「罪」と「罰」 イギリスにおける人殺しと裁判の歴史』ケイト・モーガン著 近藤隆文・古森科子訳

殺人者たちの「罪」と「罰」 ――イギリスにおける人殺しと裁判の歴史 ケイト・モーガン 著 近藤隆文・古森科子 訳 「殺人」とは何か? そして「殺人者」を裁く法はどのような経緯で成立したのか? 実際に起きた驚愕の事件を俎上にのせ、「正しい裁き」をめぐ…

欧州→米国→日本の順に経済成長したのはなぜか?『「経済成長」の起源 豊かな国、停滞する国、貧しい国』マーク・コヤマ 著 ジャレド・ルービン 著 秋山勝 訳

「経済成長」の起源 ――豊かな国、停滞する国、貧しい国 マーク・コヤマ 著 ジャレド・ルービン 著 秋山勝 訳 ■世界はいつ、なぜ、どのようにして豊かになったのか? 現代世界は豊かになりました。たしかに、いまだ貧困も戦争も飢餓も存在してはいますが、近…

記事・論説から広告まで膨大な新聞資料を渉猟し、反日言説の背景をさぐる貴重な論考!『韓国の「反日歴史認識」はどのように生まれたか 終戦から朝鮮戦争までの南朝鮮・韓国紙から読みとく』荒木信子著

韓国の「反日歴史認識」はどのように生まれたか ――終戦から朝鮮戦争までの南朝鮮・韓国紙から読みとく 荒木信子 著 なぜ韓国人は日本の過去を繰り返し責めたてるのか――。著者の問題意識はここからスタートしています。「昔、日本が悪いことをしたから」とい…

中国の強硬な主張の底に潜む危うさ。『「中国」という捏造』ビル・ヘイトン 著 小谷まさ代 訳

「中国」という捏造 ――歴史・民族・領土・領海はいかにして創り上げられたか ビル・ヘイトン 著 小谷まさ代 訳 「5000年にわたる歴史をもつひとつの国、ひとつの民族」という虚構。その虚構を根拠にしつつ、中国はこれからどこへ向かおうとしているのか。 習…

破綻国家・北朝鮮がなぜミサイルを撃ちつづけられるのか?『ラザルス 世界最強の北朝鮮ハッカー・グループ』ジェフ・ホワイト著 秋山勝訳

ラザルス ――世界最強の北朝鮮ハッカー・グループ ジェフ・ホワイト著 秋山勝訳 日本政府が名指しで非難、注意喚起をうながした「ラザルス」グループとは? 昨年10月、警察庁・金融庁・内閣サイバーセキュリティ―センターが連名で、「北朝鮮の下部組織」とし…

ヒトラーはなぜ北欧に「総統都市」を置こうとしたのか。『ナチスの北欧幻想 知られざるもう一つの第三帝国都市』デスピナ・ストラティガコス著 川岸史訳

ナチスの北欧幻想 ――知られざるもう一つの第三帝国都市 デスピナ・ストラティガコス 著 川岸史 訳 1934年4月12日、ヒトラーはノルウェーのフィヨルドを視察に訪れました。その時、彼の眼には、自らのユートピア都市が重なって見えていたのかもしれません。 …

香港の自由を「暴力」で守ろうとした若者たちが思いのたけを吐露した貴重な記録!『香港秘密行動』楊威利修 著 勇松 訳

香港秘密行動 楊威利修 著 勇松 訳 この本は「逃亡犯条例」の改正に端を発する香港での騒乱(2019年)の際、過激な抗議活動で注目を浴びた「勇武派」と称される若者たちにインタビューしたルポです。当時、抗議デモ参加者の大半は非暴力の抵抗運動で香港の自…

尹錫悦・新大統領は韓国を正常化できるか。どう考えても無理だろう。『韓国の大統領はなぜ逮捕されるのか 北朝鮮対南工作の深い闇』西岡力著

韓国の大統領はなぜ逮捕されるのか ――北朝鮮対南工作の深い闇 西岡力著 韓国の大統領選が3月に行われて、この5月に新大統領・尹錫悦(ユン・ソギョル)が誕生した。文在寅(ムン・ジェイイン)・前大統領の悪夢の五年間が終わって、韓国は正常化できるのでは…

一読忘れ難い、鮮烈なエピソードを満載して、43人の豪奢な生涯を描く 『世界大富豪列伝 19-20世紀篇』『世界大富豪列伝 20-21世紀篇』福田和也著

世界大富豪列伝 19-20世紀篇 世界大富豪列伝 20-21世紀篇 福田和也著 ◆贅沢、豪奢、快楽を満喫した人生 渋沢栄一、フォード、小林一三、ピカソ、五島慶太、谷崎潤一郎、チャップリン、松下幸之助、安藤百福、本田宗一郎、田中角栄、力道山、ウォーホル、ヘプ…

岩波の偽書に謝罪なし。和田春樹の日本は破滅しなかったからいけない、という論理。『日韓「歴史認識問題」の40年』西岡力著

日韓「歴史認識問題」の40年 ――誰が元凶か、どう解決するか 西岡力著 編集者は1970年代に岩波新書のベストセラー『韓国からの通信――T・K生からの報告』をリアルタイムで読んだ世代である。本書『日韓「歴史認識問題」の40年』の中で著者はこの本が半分以上捏…

偉人が遺した品物が雄弁に語る、歴史の豊穣さ『歴史の鑑定人』ネイサン・ラーブ著 ルーク・バール著 冬木恵子訳

歴史の鑑定人 ――ナポレオンの死亡報告書からエディソンの試作品まで ネイサン・ラーブ著 ルーク・バール著 冬木恵子訳 歴史は細部に宿る。そうだとすれば、その細部たる歴史的な遺品を鑑識する眼の確かさこそが、歴史そのものの解像度を高めていくことになる…

戦争の心の傷はいかに癒やせるか?退役軍人の心の旅の記録。『帰還兵の戦争が終わるとき』トム・ヴォス著 レベッカ・アン・グエン著 木村千里訳

帰還兵の戦争が終わるとき ――歩き続けたアメリカ大陸2700マイル トム・ヴォス 著 レベッカ・アン・グエン 著 木村千里 訳 ◆戦争が終わっても、兵士の心の平穏は戻らない 先日、バイデン大統領がアフガニスタンから完全撤退することが報道され話題になりまし…

一筋縄ではいかない男、吉田謙吉は大陸で何を見たか。『吉田謙吉が撮った戦前の東アジア』塩澤珠江 著 松重充浩 監修

吉田謙吉が撮った戦前の東アジア ―― 1934年満州/1939年南支・朝鮮南部 塩澤珠江 著 松重充浩 監修 吉田謙吉は今日それほど有名ではないが、日本の近代文化史を考えるにはキーパーソンの一人である。根っからのアヴァンギャルドであり、モダン文化の最先端を…

欺瞞に満ちた「一国二制度」によって呼びさまされた 香港人意識(=本土意識)をキーワードに香港危機の本質を読み解く!『香港はなぜ戦っているのか』李怡(リー・イー)著 坂井臣之助 訳

香港はなぜ戦っているのか 李怡(リー・イー)著 坂井臣之助 訳 「逃亡犯条例」の改正に端を発する香港の騒乱が世界中の注目を集めています。なぜ、香港の人々はこれほど激しく抵抗しているのか。そして、その背景にはどんな社会状況があるのか。本書は香港…

ビル・ゲイツ絶賛。「啓蒙の理念」の重要性を説いた全米ベストセラー!『21世紀の啓蒙(上・下)』スティーブン・ピンカー著 橘明美+坂田雪子訳

21世紀の啓蒙(上・下) 理性、科学、ヒューマニズム、進歩 スティーブン・ピンカー 著 橘明美・坂田雪子 訳 ビル・ゲイツ氏が「生涯の愛読書となる、新しい一冊」と激賞した全米ベストセラー、『21世紀の啓蒙』(原題:Enlightenment Now)の邦訳がついに刊…

公表する意図のなかった個人的日記に記録された百年前の日本人の実像 『アインシュタインの旅行日記』アルバート・アインシュタイン著

アインシュタインの旅行日記ーー日本・パレスチナ・スペインアルバート・アインシュタイン 著 ゼエブ・ローゼンクランツ 編 畔上司 訳 本書は二〇一八年にプリンストン大学出版局によって刊行された“The Travel Diaries of Albert Einstein:The far East, P…

日本統治の歴史を一次資料をもとに再構築し、「反日」の起源を明らかにするとともに、それが国家イデオロギーへと発展する過程を圧巻の筆で描く! 『韓国「反日主義」の起源』松本厚治 著

韓国「反日主義」の起源 松本厚治 著 日韓関係が悪化の一途をたどっています。というより、韓国側の一連の行為によって日本国内の対韓国感情がかつてない水準にまで悪化している、というほうが正確かもしれません。旭日旗問題、慰安婦合意の破棄、「徴用工」…

日本という「裏口」を使って大戦へ参戦したルーズベルト外交を批判的に検証 『裏口からの参戦 [上][下] ルーズベルト外交の正体 1933-1941』チャールズ・カラン・タンシル 著 渡辺惣樹 訳

裏口からの参戦 [上][下] ルーズベルト外交の正体 1933-1941 チャールズ・カラン・タンシル 著 渡辺惣樹 訳 本書は第二次世界大戦の終結から間もない1952年に刊行され、大戦における米国の大義をまっこうから否定したことで議論を呼んだ歴史書 “Back Door To…

真珠湾攻撃のニュースを知り、本書の刊行を決意した元大統領 『裏切られた自由【下】フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症』ハーバート・フーバー著

裏切られた自由【下】――フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症ハーバート・フーバー 著 ジョージ・H・ナッシュ 編 渡辺惣樹 訳 本書は第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(任期1929~33)が20年の歳月をかけて完成させた第…

半世紀の封印を破って刊行された、元米大統領による驚愕の第二次世界大戦史! 裏切られた自由【上】ハーバート・フーバー 著 ジョージ・H・ナッシュ 編 渡辺惣樹 訳

裏切られた自由【上】――フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症ハーバート・フーバー 著 ジョージ・H・ナッシュ 編 渡辺惣樹 訳 本書『裏切られた自由』(原題FREEDOM BETRAYED:Herbert Hoover’s Secret History of the Second Wor…

元米大統領の大著をもとに、まったく新たな第二次世界大戦像を提示! 『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』渡辺惣樹 著

誰が第二次世界大戦を起こしたのか ――フーバー大統領『裏切られた自由』を読み解く 渡辺惣樹 著 本書は、第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(任期1929~1933)の大著『裏切られた自由』を翻訳した渡辺惣樹氏が、同書の読みどころを紹介しながら、新解…

『ライト兄弟』「訳者あとがき」より――秋山勝  『ライト兄弟』デヴィッド・マカルー著 秋山勝訳

『ライト兄弟』「訳者あとがき」より――秋山勝 本書はデヴィッド・マカルーのThe Wright Brothersを全訳したものである。原書は2015年5月に刊行、発売されるや大反響を呼び、5月27日から7月5日の7週間、ニューヨークタイムズのベストセラーリスト(ノンフィク…

「釈明史観」を糺す歴史修正主義  渡辺惣樹――文庫版『ルーズベルトの開戦責任』訳者まえがき

文庫『ルーズベルトの開戦責任』 ハミルトン・フィッシュ 著 渡辺惣樹 訳 「釈明史観」を糺す歴史修正主義 『ルーズベルトの開戦責任』が日本で上梓されたのは二〇一四年のことである。読者の高い評価を受けて版を重ねてきたが、この度文庫化されることにな…

なぜヒトラーのような男が出てきたのか。 『野戦病院でヒトラーに何があったのか』

野戦病院でヒトラーに何があったのか ――闇の二十八日間、催眠治療とその結果 ベルンハルト・ホルストマン 著 瀬野文教 訳 『帰ってきたヒトラー』という映画が今週公開される。二年前のドイツのベストセラーの映画化である。ヒトラーが現代に現れて、モノマ…

戦後日本の歴史認識に変更を迫る卓抜な論考集!『アメリカの対日政策を読み解く』渡辺惣樹著

アメリカの対日政策を読み解く 渡辺惣樹 著 ◆日本人はアメリカの行動原理がわかっていない 米大統領選の候補者選びで共和党トランプ氏の優勢が報じられています。メディアの下馬評にもあがってなかった、まさに予想外の展開です。我が外務省では急遽、氏につ…

【近刊予告】『ビッグデータで文化を計測する―デジタル人文科学の誕生』(仮)

エレツ・アイデン&ジャン-バティスト・ミシェル著 阪本芳久訳 2016年2月発売予定/価格未定 原題:Uncharted: Big Data as a Lens on Human Culture 歴史学や語学、文学などの人文科学の研究にも、ビッグデータの波が襲いかかろうとしている! Googleがスキ…