草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

日本歴史

12の分岐点に整理すると、日本国の形がよくわかる。『日本史の分岐点』齋藤孝 著

日本史の分岐点 齋藤孝 著 齋藤孝さんは『声に出して読みたい日本語』(草思社刊)以来、日本語の問題に関心を抱いてきました。日本語の美しさや、習得することの教育的意味などです。しかし本書では「日本語」を超えて「日本」というものに関心を広げていま…

比類なき宗教戦争から、世紀の叛逆劇へ――。戦国史の謎に挑む傑作歴史小説!『光秀、修羅の饗宴 本願寺戦争異聞』向谷匡史 著

光秀、修羅の饗宴 ――本願寺戦争異聞 向谷匡史 著 本書は戦国時代を舞台に、明智光秀を中心とする歴史群像が躍動する歴史小説です。和歌山の浄土真宗寺院に残された古文書を手がかりに、浮かびあがるのは悲運の智将・光秀の知られざる前半生――。雑賀の里での…

従来のイメージを覆す新しい人物像を丁寧に解説。今の時代にこそ求められるリーダーの姿『偉人 大久保利通 「正解なき時代」のリアリスト』真山知幸 著

偉人 大久保利通 ――「正解なき時代」のリアリスト 真山知幸 著 大久保利通といえば、明治維新の立役者。倒幕を成功させて、日本を近代国家へ導いた人物です。正直に言うと、これまで私は「冷酷な独裁者」「西郷隆盛の陰に隠れた人」といったイメージを持って…

「リンゴの唄」の赤と青の色はどのような色だったのか。『占領下の日本 カラーフィルム写真集』衣川太一 編著

占領下の日本 カラーフィルム写真集 衣川太一 編著 「赤いリンゴにくちびる寄せて 黙って見ている青い空」、戦後を象徴する歌謡曲、並木路子の「リンゴの唄」に歌われているリンゴの赤い色や青い空の青さはどのような色であったか。本書を見ていると赤と青の…

信長や秀吉をも惹きつけた、能の魅力とはいったい何なのか?『怖くて美しい能の女たち 日本人の美意識の究極のかたち』林望 著

怖くて美しい能の女たち ――日本人の美意識の究極のかたち 林望 著 ■能とは人間の本質を“えぐり出す”芸術だった! 能は難解で、取っつきにくい? いいえ、本書を読めば、能がどこまでも「人間的」で、驚くほど私たちに近しい芸能であることが見えてきます。能…

「知と文化の集積地」古書街は、いかにして作られてきたか?『古本屋の誕生 東京古書店史』鹿島茂 著

古本屋の誕生 ――東京古書店史 鹿島茂 著 稀代の本マニアが「古本・古書街の歴史」を詳細にたどる 江戸時代の書店は、新刊も古本も一緒に売り出版も取次も行なっていた。それらはいつ、なぜ分化したのか? また、古書業界は明治以後どのような変遷をたどった…

伝説の少女が食べた「人魚」とは何だったのか? 『日本の人魚伝説』髙橋大輔 著

日本の人魚伝説 髙橋大輔 著 探検家が「人魚のモデル」とされる動物の諸説を徹底検証 遠い昔、若狭湾に臨む小浜(おばま)で人魚の肉を食べ、永遠の若さを手にした少女がいたという。彼女は尼となり日本各地を遊行して800年生き、「八百比丘尼」(やおび…

面白おかしく語った老落語家の半生記、お笑い芸人たちの思い出。『木久扇の昭和芸能史』林家木久扇 著 林家たけ平 聞き手

木久扇の昭和芸能史 林家木久扇 著 林家たけ平 聞き手 木久扇(林家木久扇)師匠には本書の前に『バカの遺言』という著書がある。今回の本もまた人生晩年を迎えた「バカの回想記」である。しかし、木久扇の「バカ」は芸風(与太郎的芸風)だけで、実は、客観…

人気番組勇退後、はじめて語る秘話満載!『木久扇の昭和芸能史』林家木久扇 著 林家たけ平 聞き手

木久扇の昭和芸能史 林家木久扇 著 林家たけ平 聞き手 11月25日発売近刊 昭和12年東京日本橋に生まれた木久扇師匠は御年87歳、いまや落語界の重鎮となった師匠はまた、小さいころから祖母に連れられ芝居見物に行くなど、根っからの演芸好き。その木久扇師匠…

「女とお酒」の世界史をたどる!『女たちがつくってきたお酒の歴史』マロリー・オメーラ 著 椰野みさと 訳

女たちがつくってきたお酒の歴史 マロリー・オメーラ 著 椰野みさと 訳 古代からず~っと、世界のいろんなところで、お酒とお酒の文化は、女性たちがはぐくみ発展させてきたのです。 人間の歴史はいつでも「酒」とともにあった。あまり知られていないことで…

「生きて伝えよ」。苛酷な使命を託された元・下士官の語られざる物語『戦場の人事係 玉砕を許されなかったある兵士の「戦い」』七尾和晃 著

戦場の人事係 ――玉砕を許されなかったある兵士の「戦い」 七尾和晃 著 太平洋戦争末期、玉砕戦となった沖縄に派遣され、戦友が死ぬたびにその状況を克明に記録したメモを戦時名簿に添えて保管していた准尉・石井耕一は、最後の戦いを前に中隊長に「おまえは…

かけがえのない家族を奪われて数十年――。一日も早い帰還を願う家族からの痛切なメッセージ 『「お帰り」と言うために 拉致被害者・特定失踪者家族の声』特定失踪者問題調査会 編

「お帰り」と言うために ――拉致被害者・特定失踪者家族の声 特定失踪者問題調査会 編 この本は昨年(2023年)の10月21日に東京都庁前広場(都民広場)で開催された「『お帰り』と言うために 拉致被害者・特定失踪者家族の集い」に参加された拉致被害…

奇跡の財政再建をなしとげるも、西郷、大久保ら維新の元勲から「悪人」と憎まれた男の実像『幕末の薩摩藩 悲劇の改革者 調所笑左衛門』原口虎雄 著

幕末の薩摩藩 悲劇の改革者 調所笑左衛門 原口虎雄 著 維新の大業をなした薩摩の「起点」となった人物に光を当てる傑作評伝! 本書の旧版(1966年中央公論社刊。現在絶版)は調所(ずしょ)笑左衛門広郷(ひろさと)の初めての伝記で、巷間の調所像を覆す衝…

奇跡の海峡突破を成し遂げた男を突き動かした「大義」とは──『国境の人 間宮林蔵 探検家にして幕府隠密、謎多き男の実像を追う』髙橋大輔 著

国境の人 間宮林蔵 ――探検家にして幕府隠密、謎多き男の実像を追う 髙橋大輔 著 列強のアジア進出で緊張高まる江戸後期に、国内外を雄飛し続けた男の生涯! 「間宮海峡」で高名な江戸後期の探検家、間宮林蔵。彼の生涯は、サハリン島(カラフト・北蝦夷)や…

人はどのように死んできたのか。『死因の人類史』アンドリュー・ドイグ 著 秋山勝 訳

死因の人類史 アンドリュー・ドイグ 著 秋山勝 訳 有史以来のさまざまな死因とその変化の実相を科学的・歴史的・社会的視点から検証した壮大な “死” の人類史。 14世紀イタリア・シエナ、黒死病が覆いつくす(本文より) 1347年、当時、シエナは中央イタリア…

清少納言の「枕草子」に生き方を学ぶ。新しいタイプの人生指南書『ひとりになったら、ひとりにふさわしく 私の清少納言考』下重暁子 著

ひとりになったら、ひとりにふさわしく 私の清少納言考 下重暁子 著 2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』で平安時代に注目が集まるなか、紫式部のライバルとして名高い清少納言にもスポットライトが当たっています。本書は「私は紫式部より清少納言のほう…

物語と文体の力が伝える家康の生涯 『日本外史 徳川氏正記』頼山陽 著 木村岳雄 訳・解説

日本外史 徳川氏正記 頼山陽 著 木村岳雄 訳・解説 『日本外史』は、源平から徳川までの武家の興亡を、司馬遷の『史記』の紀伝体に倣って記述した歴史書です。本書は『日本外史』全二十二巻のうち、巻之十八から巻之二十二までに相当する「徳川氏正記」を扱…

家康はいつ「打倒豊臣家」のスイッチが入ったか?『大坂の陣全史 1598-1616』渡邊大門 著

大坂の陣全史 ――1598-1616 渡邊大門 著 気鋭の歴史学者が良質な一次史料と最新研究を用い、「今わかりうる大坂の陣のすべて」をつまびらかにした労作! 大坂の陣という合戦そのものだけでなく、そこに至るまでの十数年にわたる家康と秀頼の政治的駆け引きの…

渾身の書き下ろし時代小説『楠木正成 河内熱風録』増田晶文 著

楠木正成 河内熱風録 増田晶文 著 史上最強の智将・楠木正成が駆け抜けた熱き五年間! 鎌倉幕府と戦い、後醍醐新政を支え、寝返った足利尊氏と闘い抜いて壮絶な最期をとげた楠木正成。下赤坂城の戦いから千早城の戦い、湊川の戦いで自刃するまでの軌跡が本作…

「紙と日本史の関係」を初めて解き明かした労作『日本史を支えてきた和紙の話』朽見行雄 著

日本史を支えてきた和紙の話 朽見行雄 著 日本は古来、「紙」の国だった――和紙の力で鎮護国家を築いた聖武天皇。和紙が支えた徳川の天下泰平。古代から現代まで、「和紙の国」の十一の知られざる物語 日本の伝統文化の中で、和紙ほど、常に日本人のそばにあ…

日本は、なぜ戦争を始め、なぜあんなひどい負け方をしたのか。『昭和史百冊』平山周吉 著

昭和史百冊 平山周吉 著 毎年、夏が来ると終戦記念日の特集が恒例のように行われる。今年もそうなるかもしれないが、刮目すべき本書が出たことで、少しは戦争への理解が進みそうだ。 もう78年もたっているので、戦争経験者はほとんど鬼籍に入りつつある。こ…

世界最古の木造建築「法隆寺」のすべてを解説した名著が、ハンディサイズに!『【普及版】法隆寺 世界最古の木造建築』西岡常一・宮上茂隆 著 穂積和夫 イラストレーション

【普及版】法隆寺 ――世界最古の木造建築 西岡常一・宮上茂隆 著 穂積和夫 イラストレーション 法隆寺が世界の最古の木造建築であることは周知の事実ですが、その価値は古いということにあるのではなく、法隆寺に込められた、古代日本人がもっていた技術や知…

「未知の世界」に挑み続けることはなぜ重要なのか?『越境と冒険の人類史 宇宙を目指すことを宿命づけられた人類の物語』アンドリュー・レーダー著 松本裕訳

越境と冒険の人類史 ――宇宙を目指すことを宿命づけられた人類の物語 アンドリュー・レーダー著 松本裕訳 この本の著者はSpaceXでミッションマネジャーを務めている宇宙工学者です。原書のタイトルは“Beyond the Known”、つまり本書は「未知の世界へ」と誘わ…

一読忘れ難い、鮮烈なエピソードを満載して、43人の豪奢な生涯を描く 『世界大富豪列伝 19-20世紀篇』『世界大富豪列伝 20-21世紀篇』福田和也著

世界大富豪列伝 19-20世紀篇 世界大富豪列伝 20-21世紀篇 福田和也著 ◆贅沢、豪奢、快楽を満喫した人生 渋沢栄一、フォード、小林一三、ピカソ、五島慶太、谷崎潤一郎、チャップリン、松下幸之助、安藤百福、本田宗一郎、田中角栄、力道山、ウォーホル、ヘプ…

岩波の偽書に謝罪なし。和田春樹の日本は破滅しなかったからいけない、という論理。『日韓「歴史認識問題」の40年』西岡力著

日韓「歴史認識問題」の40年 ――誰が元凶か、どう解決するか 西岡力著 編集者は1970年代に岩波新書のベストセラー『韓国からの通信――T・K生からの報告』をリアルタイムで読んだ世代である。本書『日韓「歴史認識問題」の40年』の中で著者はこの本が半分以上捏…

「怪しげな東洋人」という役柄が彼の忘れられた理由ではないか『占領下のエンタテイナー』寺島優 著

占領下のエンタテイナー 日系カナダ人俳優&歌手・中村哲が生きた時代 寺島優 著 本書(『占領下のエンタテイナー』)の201ページに1952年2月の『NHKスター・オン・パレード』の写真が載っている、占領末期のおそらくNHKラジオ主催による当時の花形歌…

岐路に立つ日本人の〈肉声〉を克明に伝える貴重な同時代ルポ!『1932年の大日本帝国』アンドレ・ヴィオリス 著 大橋尚泰 訳

1932年の大日本帝国 ーーあるフランス人記者の記録 アンドレ・ヴィオリス 著 大橋尚泰 訳 満洲事変の翌年にあたる一九三二年(昭和七年)、「日本はどこへ向かっているのか」を取材するために日本を訪れた『ル・プチ・パリジヤン』紙の特派員アンドレ・ヴィ…

試し読み 『勝海舟 歴史を動かす交渉力』山岡淳一郎著

第四章「大江戸開城の大交渉」より抜粋 勝は、西郷を圧倒する気魄で談判(江戸開城交渉)に臨むために恐るべき戦術をたてていた。もしも交渉が決裂して官軍が攻撃に移ろうとしたら、即座に四方八方へ秘かにしらせ、「江戸市街を焼き、敵の進退を断ち切り、焦…

まじめなる口上――『稀代の本屋 蔦屋重三郎』開板によせて

稀代の本屋 蔦屋重三郎 増田晶文 著 あとがきのあとのあとがき 増田晶文(ますだ・まさふみ) 女は『稀代の本屋 蔦屋重三郎』を手にしてペラペラとめくった。「蔦屋重三郎ってあのTSUTAYAのご先祖でしょ?」 さかしらをいう、その女を私は嘆息まじりでみつめ…

文庫版『昭和二十年』全13巻、未完の完結。故・鳥居民が明らかにしたこととは。

日本が未曾有の試練に見舞われた太平洋戦争最後の一年を一月一日から十二月三十一日まで、ときの推移に従って、日本の全社会がどのように動いたかを描く巨大ノンフィクション、『昭和二十年』。著者の急逝のため未完に終わった本シリーズ全13巻の文庫版刊行…