文庫 声に出して読みたい日本語③
齋藤孝 著
日本語ブーム、朗読ブームの原点、大ベストセラーの続々篇!
2001年に発売され、日本語ブームを巻き起こした『声に出して読みたい日本語』。100万部を超えミリオンセラーとなった第1巻を皮切りに、単行本版が第6巻、子ども版が第12巻、さらにCDブック版と刊行を重ね、現在も続刊を望む声の多い草思社を代表するシリーズです。今回は単行本版第3巻、待望の文庫化のご案内です。
◆死をのぞんでの言葉や手紙文の収録など、新機軸も多彩
第3巻もこれまでの本と同様に、古典から近代にいたるまでの名文、浪曲や歌舞伎、謡曲、落語などの芸能、唱歌の歌詞、言葉あそびなど、日本文学の遺産の精髄ともいうべき言葉や文章をえりすぐって収録しています。1巻、2巻では収録できなかった名文名句がまだこれほどあるのかと思うほど、日本語の遺産は膨大であることを痛感させられます。
そのほか、今回の特徴としては、遺書(森鴎外「余は石見人、森林太郎として死せんと欲す」)、弔辞(芥川への菊地寛による)、辞世の句(道元「渾身もとむるところなく、活きながら黄泉に陥つ」、三遊亭一朝「あの世にも粋な年増がいるかしら」など)といった死にのぞんでの言葉が多く入っていることがそのひとつです。
また、手紙文として漱石のもの(作家になる決意を固めたときのものと子供への手紙)、岡本かの子の息子太郎への愛情あふれる手紙などを入れていることも新機軸と言えるでしょう。
第1巻、2巻とくらべても、ますます内容が充実したと感じる第3巻。機智溢れる解説はそのままに、お手に取りやすくなった文庫版をぜひ座右に置いてお使いください。情緒あふれる日本語の名文に触れ、心に潤いを感じていただけることでしょう。
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