草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

「孫子の兵法」に影響を与え、司馬遷を恐れさせた中国史上最強の策謀術、本邦初公開

鬼谷子―― 100%安全圏から、自分より強い者を言葉で動かす技術

高橋健太郎 著

◆道徳すら武器。恐ろしく実戦的。中国古典の最終兵器『鬼谷子』、ここに解禁!

 孫子の師匠と言われ、始皇帝に不老不死の薬を教えたとされる謎の賢人・鬼谷子の残した一冊の書、その名も「鬼谷子(きこくし)」。そこで書かれているテーマは、言葉を駆使し、他人を動かす技術。もっと言えば、王という自分より強い立場の人間を、自らの身を守りつつ言葉で動かす「策謀」の技術です。まさに、一歩道を誤れば命を狙われる中国戦国時代、言葉一つで天下を自由自在に動かした遊説家たちの叡智が結実した一冊と言えます。
 本書は、これまでその内容の難解さゆえに日本では異端の古典扱いされてきた、「鬼谷子」を純粋に「言葉の技術書」として実戦的に読み説き紹介する、本邦初の本です。

◆二千数百年前の書とは思えない、日常に役立つリアルな技術の数々!

 人間心理を鋭くとらえた「鬼谷子」の技術は、今読んでもまったく古びることがないどころか、ひとえに「策謀」の成功を目的としたリアルな技術に驚かれることでしょう。
 第一に「鬼谷子」では、弁さえ立てば、どんな相手でも動かせるとは考えません。あらかじめ動かせる相手と動かせない相手を峻別し、必ず動かせる相手をして、はじめて動かすことを徹底しています。さらに相手の本心を確実に明らかにするために、「まず相手の言葉を否定して圧倒し、その後、肯定しておだて上げる」といった、「おだて」と「そしり」を使い分ける「飛箝(ひかん)の術」、相手の感情の反応パターンに合わせて、わざと怒らせたり、悲しませたりすることで本音を引っ張り出す「揣摩(しま)の術」等々、実際の人間関係において有効な技がたくさん紹介されています。
 また、これらの技を、鬼谷子の弟子たち――孫臏(そんぴん)、蘇秦(そしん)、張儀(ちょうぎ)など、中国戦国時代に活躍した実在の英雄たちを例にとって解説していくので、歴史的背景も含めてより深く理解することができるのです。
心理学、修辞学、社会学、そして陰陽思想の宇宙論がない交ぜになった壮大な世界観を持つ「鬼谷子」は、ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊です。

(担当/吉田)

著者紹介

高橋健太郎(たかはし・けんたろう)

作家。横浜生まれ。上智大学大学院文学研究科博士前期課程修了。国文学専攻。専門は漢文学。言葉の使い方や読み解き方、古典や名著を題材にとり、独自の視点で研究・執筆活動を続ける。近年は特に弁論術・レトリックをテーマとしている。著書に『どんな人も思い通りに動かせる アリストテレス 無敵の「弁論術」』(朝日新聞出版)、『あたらしい話し方の辞典』(日本文芸社)、『そうだったのか! スゴ訳 あたらしいカタカナ語辞典』(高橋書店)がある。

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