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70代からでも間に合う! ボケ・寝たきりリスクが激減! 『死ぬまで介護いらずで人生を楽しむ食べ方』新開省二著

死ぬまで介護いらずで人生を楽しむ食べ方

新開省二 著

◆20年におよぶ、のべ5000人の高齢者の追跡調査からわかったこと

 「いつまでも元気で、自立した生活を送るにはどうすればいいのか?」
これは本格的な高齢社会に入った今、誰もが抱える切実な課題です。しかし、残念ながら高齢期の健康度には、人によって大きな差が生じます。歳をとっても自立した生活を送れるか、それとも要介護になってしまうのか、その差はどこから生まれるのでしょうか? 
 著者の研究によると、高齢期の健康は「栄養状態」と深く関係があることがわかってきました。いったん「低栄養状態」に陥ると、血管の壁がもろくなり、脳卒中など心血管病のリスクが高まり、認知症や寝たきりの進行を促進し、健康寿命が大きく損なわれるというのです。
 本書は栄養面からの老化予防を中心にして、健康長寿の極意をわかりやすくまとめた一冊です。自分の老後に備える上でも、親の老後が心配な方にも非常に役に立つ内容となっています。

◆寝たきりに最適な「多様食」とは?

 では、実際にどのように食べれば健康寿命を延ばすことができるのでしょうか?
著者は、健康長寿のためのもっとも効果的な食べ方として、さまざまな食品からまんべんなく栄養素をとる、「多様食」を提唱しています。加齢がおよぼす体の問題により、高齢者は若い人と同じように食べても、栄養をうまく体内に吸収できなくなっています。その点、多様食にすれば食品に含まれる多くの栄養素が、消化する際、互いに補完しあうので栄養が体に吸収されやすくなります。その結果、栄養状態がよくなることで、筋肉、骨、内臓、血がしっかりと増え、健康で長生きできる体につながるというわけです。
 うれしいことに、研究の結果からいくつになっても食習慣を変えることで、健康寿命が延ばせることがわかっています。たとえ70代、80代からでも遅くはないのです。ぜひ本書に書かれていることを実践し、楽しく充実した高齢期を過ごしていただければ幸いです。

 (担当/吉田)

 

もくじ

はじめに
1章 高齢期の健康は「食べ方」で決まる
・「粗食信仰」が老化を促進する
・高齢期の健康は「栄養状態」が決め手
・まったく違う中年期の健康常識と高齢期の健康常識
・寝たきり予防は七十代からでも間に合う
・食べることが最強の老化対策
・要介護にいたる二つのプロセスとは
・高齢者を対象にした大規模調査からわかったこと


2章 なぜやせている人は死亡リスクが高いのか?
・健康長寿の三大条件
・病気があっても長生きできる
・やせている人より太めの人のほうが長生き
・総コレステロール値は高めがいい
・食欲は生命力
・低栄養によって死亡の危険度は一・五倍高まる
・みんなが誤解しているコレステロール
・健康診断のデータはうのみにするな
・「かむ力」が弱い人は要注意
・肉食が心と体を元気にする


3章 体をむしばむ「低栄養」の本当にこわい話
・なぜ高齢者は栄養が足りなくなるのか
・タンパク質が不足すると体はどうなるか
・低栄養は「脳卒中」「心筋梗塞」を引き起こす
・血液ドロドロよりこわい血管ボロボロ
・認知症は脳の栄養不足
・「かくれ低栄養」が増えている
・食生活を変えれば健康寿命は延ばせる

 

4章 老けない、ボケない、高齢期の正しい食べ方
・キーワードは「多様食」
・「多様食」とは「栄養素密度が高い」食事のこと
・多様な食生活は寝たきり予防につながる
・基本は「食べて動く」
・老化しない頭と体をつくる一四項目
・肉と魚、どっちが健康的?
・ご飯の食べ方
・ときにはてんぷらや揚げ物を
・牛乳はやっぱり健康にいい
・時代の淘汰から生き残った食品には価値がある
・香辛料、調味料にはボケ防止の効果
・世の中の健康情報を楽しく活用する


5章 死ぬまで介護いらずの体をつくる毎日の習慣
・高齢でも自立した生活を保つには
・フレイルをチェックする一五項目
・六十代後半からはメタボ対策よりフレイル予防が大切
・歩くのが遅いだけで、心血管病のリスクが約三倍に
・握力が弱くなるほど死亡率が高くなる
・群馬県草津町でのフレイル予防の取り組み
・フレイル予防の三本柱は「栄養」「体力」「社会参加」
・予防活動によって介護発生率は約半分に
・病気は減らなくても要介護が減った理由
・まずは「外出」の機会を増やそう
・骨を強くする
・老いない体は骨と筋肉が要
・高齢期はレジスタンス運動が効果的
・運動効果を高める食べ方
・血管を健康にする
・タバコはただちにやめなさい


6章 おいしいものを食べに、外に出かけよう
・「閉じこもり」と認知症の関係
・「外出頻度やや低め」も健康に悪い
・足腰が悪くても外出を続ければ回復の可能性がある
・買い物も通院も立派な外出
・長い睡眠時間は老化を促進する
・「閉じこもり」やすいタイプとは
・地域デビューは手軽な老化防止策
・男の老い方、女の老い方
・高齢期の問題点は「食」にはじまり、「食」で終わる
・食の三つの力
・地縁を有効に使う
・口を開けば、心も開く
・追いじたくは、豊かな食卓から

あとがき

 

著者紹介

新開省二(しんかい・しょうじ)

東京都健康長寿医療センター研究所副所長。医師・医学博士。1984年愛媛大学大学院医学研究科博士課程修了。愛媛大学医学部助教授(公衆衛生学)を経て1998年より東京都老人総合研究所(現・東京都健康長寿医療センター研究所)勤務、2015年より現職。この間(1990-91年)カナダ・トロント大学医学部に旧文部省在外研究員として留学。日本老年医学会、日本老年社会科学会、日本体力医学会、日本衛生学会の各評議員や厚生労働省「健康日本21(第二次)策定専門委員会」委員、長寿科学総合研究事業、JST-RISTEX研究開発事業などの主任研究者を歴任。日本公衆衛生学会奨励賞(2006年)、都知事賞(2007年、研究、発明・発見部門)など受賞。

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