経済の流行語・論点でたどる平成史
浜野崇好 著
まもなく幕を閉じようとしている「平成」という時代は、バブル経済の熱狂と消費税の導入で始まりました。そしてその後も良きにつけ悪しきにつけ、その時代相を映すさまざまな経済ワードに彩られています。平成という時代は「経済に笑い、経済に泣いた時代」だったといえるかもしれません。
この本はNHKの記者として高度経済成長の時代から長きにわたって日本経済をウォッチし続け、現在も経済コラムニストとして活動している著者が、経済のキーワードに注目して平成の三十年を振り返った本です。多年にわたり新聞・テレビを丹念にあたって収集した経済の新語・流行語をテーマごとに並べてみることで、日本の「これから」を展望できるのではないかと著者は考えています。
平成のはじめから大きな問題になっていて、いまだに課題として残っている「規制緩和」や「少子化」。一方で「土地神話」は完全に失われて「負動産」の時代に突入と、平成の三十年間で何が変わり何が変わっていないかを、われわれは経済の言葉から読みとることができます。またここ数年では、「AI」「GAFA」に「5G」と、アルファベット混じりの新語が非常に多くなってきているあたりに、時代の変化を感じずにはいられません。私たちは今、どんな時代に生きているのか。それを知るヒントが詰まった一冊です。
(担当/碇)
著者紹介
浜野 崇好(はまの・たかよし)
経済コラムニスト。1935年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学教授・学長。退任後、フリーの経済コラムニストとして活動中。