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草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

文章の魔術師・出久根さんがつづる珠玉の書物エッセイ集!

本と暮らせば

出久根達郎 著

◆「日本古書通信」への連載原稿6年分をまとめた濃厚な一冊

本書は、古書店主にして直木賞作家の出久根達郎さんが、古書業界向けの冊子「日本古書通信」に2009~2014年に連載された書物エッセイを一冊にまとめたものです。収載エッセイ全七十五編。原稿は同業者向けに書かれたものであり、一般読者の目に触れる機会のなかったものなので、著者のファンには興味津々の一冊となるでしょう。また、昨今、雑誌などで「古本」「古書街」特集がたびたび組まれるなど、若い人の間で「古本」が人気で、古書店開業を夢見る人も増えており、そうした方々にとっても、本書は魅力的な一冊となるはずです。

出久根さんは今年で古希(七十歳)を迎えられました。生まれた時から本のある家庭で育ち、小中学校時代は学校の図書室や、月に一度村にやって来る移動図書館でむさぼるように本を読み、中学卒業後、上京して月島の古書店に勤め、のちに杉並区高円寺に古書店「芳雅堂」を開業、作家活動も始められ、九十三年、『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞。その後も精力的にエッセイ、小説を発表され、現在にいたります。まさに「本と暮らして七十年」という、本好きにとっては偉大なる先達というべき方が、本の魅力を語り、お勧め本の数々を紹介したのが、本書というわけです。

あとがきで出久根さんは言います。「読むだけが、本ではない。そこにあるだけで、私たちは本から何らかのオーラを受ける。いろんなイメージが湧くし、思いがけぬアイデアを得る。電子書籍には、これが無い。紙と活字と形とにおいと色彩を持つ本だけが、人間の五感に訴えてくる」

うんうん、とうなずかれた貴方は、もう本書を読むしかないでしょう。本好きの貴方に、未知の世界をこれでもかと味わわせてくれること、間違いなしです。

目次を見ると、興味深いタイトルがズラリ。「龍馬と竜馬」「女子校に関する」「二百三十五版」「追悼集の処分」「回春室」「天皇の蔵書」「洋書と電子書籍」「花子の謎」「落丁を楽しむ」「擬自伝」「夢二の女」「地、震う」「古本あさる」「チチンプイプイ」「毛布小林」……。果たして、どんな内容なのか。本好きならずとも、惹かれてしまう題名ばかりです。著者自身、本書の校正を終えて、「読み応えがあるねえ(笑)」と思わず口にされたほどの、充実のエッセイ集。この年末年始の読書にもぴったりの本ですので、本好きの方は是非とも本書をお楽しみいただければ幸いです。

(担当/貞島)

著者略歴

出久根達郎(でくね・たつろう)

1944 年、茨城県生まれ。作家。古書店主。中学卒業後、上京し古書店に勤め、73 年より古書店「芳雅堂」(現在は閉店)を営むかたわら文筆活動を行う。92 年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、翌年『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞。他に『古本綺譚』『作家の値段』『七つの顔の漱石』『雑誌倶楽部』『春本を愉しむ』『短篇集 半分コ』『本があって猫がいる』など多数。

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