日本文学(評論・随想)
俳句講座 季語と定型を極める 岸本尚毅 著 既刊『音数で引く俳句歳時記』が俳人の間でひそかに愛用されている。1音から25音までの季語を音数ごとにまとめた歳時記は今までなかった。五七五音の定型に収めるために、これがいかに画期的な歳時記かは俳句に親し…
明日も生きていこうと思える絵本101 赤木かん子 著 ■この本は、絵本と出会うための本です 絵本といえば、やさしく癒やしてくれそうなイメージを持たれる方は多いのではないでしょうか。ところが本書では、著者があえて「衝撃的でハッと覚醒させられる」絵本…
ひとりになったら、ひとりにふさわしく 私の清少納言考 下重暁子 著 2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』で平安時代に注目が集まるなか、紫式部のライバルとして名高い清少納言にもスポットライトが当たっています。本書は「私は紫式部より清少納言のほう…
音数で引く俳句歳時記・冬+新年 岸本尚毅 監修 西原天気 編 25音の長大な季語「童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日」も楽し。音数で整理された画期的な歳時記。 俳句の最小限のルールは五・七・五という音数による定型と、その時節の季語が含まれることです…
文庫 ジャズで踊って ――舶来音楽芸能史 完全版 瀬川昌久 著 戦前の昭和モダニズム文化の中でジャズがいかに華麗に花開いたか?服部良一を「日本のガーシュイン」、笠置シヅ子を「日本人離れの奔放さ」と喝破! NHK朝ドラ「ブギウギ」の原点がわかる名著、待…
戒厳令下の新宿 ――菊地成孔のコロナ日記 2020.6-2023.1 菊地成孔 著 「あなたにとってコロナとは何だったのか?」――音楽家、文筆家である著者・菊地成孔氏は「あとがき」でこのように問い掛けます。著者が主戦場とする音楽業界は、新型コロナウイルス感染症…
音数で引く俳句歳時記・秋 岸本尚毅 監修 西原天気 編 本書は『音数で引く俳句歳時記・春』『音数で引く俳句歳時記・夏』の続編で、8月8日に来る「立秋」に備えて、秋の句作・句会のために刊行された「秋」編です。秋の季語を音数別にまとめたものです。2音…
昭和史百冊 平山周吉 著 毎年、夏が来ると終戦記念日の特集が恒例のように行われる。今年もそうなるかもしれないが、刮目すべき本書が出たことで、少しは戦争への理解が進みそうだ。 もう78年もたっているので、戦争経験者はほとんど鬼籍に入りつつある。こ…
放蕩の果て ――自叙伝的批評集 福田和也 著 「言葉はどこからもやって来ず、私は言葉を探し、追いかけている」食って飲んで酔っ払い、月に三百枚もの原稿を書いた批評家・福田和也氏は、現在62歳。病に蝕まれ、食べられなくなり、ついに言葉も遠ざかってしま…
音数で引く俳句歳時記・夏 岸本尚毅 監修 西原天気 編 本書は『音数で引く俳句歳時記・春』の続編で、立夏(5月6日)を迎えた初夏のシーズン向けに夏の季語を音数ごとにまとめ、解説した画期的歳時記です。これからの季節の句会、吟行あるいは一人での句づく…
なぜ炭治郎は鬼の死を悼むのか ――昔話で読み解く『鬼滅の刃』の謎 久保華誉 著 なぜ、『鬼滅の刃』はこれほどまでに人々の心をひきつけてやまないのでしょうか。その答えは、「昔話」にあったのです。 本書では、『鬼滅の刃』が具体的に古今東西の伝承の物語…
音数で引く俳句歳時記・春 岸本尚毅 監修 西原天気 編 1音の季語に「蚊」がある。夏の季語で、例えば「掌やぺしやんこの蚊の欠くるなく」(加田由美)という風に使われる。またこれはかなり極端な例であるが、最長25音の季語に「童貞聖マリア無原罪の御孕り…
霊体の蝶 吉田隼人 著 「霊魂(プシケエ)と称ばれてあをき鱗粉の蝶ただよへり世界の涯の」「みなそこにみなもはかげをなげかけてながるる時は永遠の影」「蓮(はちす)いちりんみちたりて燃ゆ生き死にの条理のよそに浮かむかにみえ」 本書は2013年に連作「…
東京名酒場問わず語り 奥祐介 著 銀座、浅草、湯島、大塚、神田、神楽坂……。居酒屋、立ち吞み屋から、バー、蕎麦屋、焼鳥屋、鰻屋まで、東京の名酒場を軽妙な文章で紹介する一冊です。本書がデビュー作となる著者、奥祐介氏は元書籍編集者で、担当する批評家…
曾良の正体 ――『奥の細道』の真実 乾佐知子 著 日本最高の古典『奥の細道』の旅は、決して芭蕉一人の力で成し得たものではない。芭蕉に影のように付き添い、ある時は道案内の先導役を務め、ある時は旅の資金のやりくりに頭を痛め、宿の手配に奔走するといっ…
黒澤明の弁護士 乗杉純 著 本書は第6回(2021年度)文芸社・草思社W賞金賞受賞作のノンフィクションである。著者の乗杉純氏は弁護士で個人事務所を経営している。国際間の契約の交渉、知的所有関係などに長けていて、黒澤プロとも近年までさまざまな案件で…
真説 老子 ――世界最古の処世・謀略の書 高橋健太郎 著 ■日本で誤解されてきた『老子』 『老子』と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか? 中国古典に興味がある方だと、もしかすると「無為自然」「足るを知る」「上善如水」など、『老子』に書かれている…
作家の老い方 草思社編集部 編 誰しも青年期を過ぎ、中年期を迎える頃には、身心の不調や衰えを感じたり、家族のケアが必要になったりと、「老い」に向き合わざるを得ません。今日では老いは若さを失うという面でネガティブに捉えられがちですが、古来「老い…
失われたモテを求めて 黒川アンネ 著 本書は、小さい頃からずっと太っていることがコンプレックスで、自分に自信を持てず、異性との交際に消極的だった著者が、モテを求めて奮闘する2年半の様子を綴った記録です。 シャネルの口紅を買いに行ったり、映画や本…
論語清談 西部邁 著 福田和也 著 木村岳雄 監修 本書は2018年1月18日に自裁を遂げた西部邁氏が、2000年に福田和也氏と行った『論語』をめぐる対談を収めたものです。 福田氏による「まえがき」には当時の混乱する世相の中、「自分の足元を見つめ直そうと始め…
夜、寝る前に読みたい宇宙の話 野田祥代 著 ■目を閉じて、想像の力で地球を飛び出そう 私たち人間は、ついささいなことで落ち込んだり、イライラしたり、目の前の現実に一喜一憂しがちです。とりわけ今は長引くコロナ禍により、心理的にもストレスが大変大き…
なぜ日本語はなくなってはいけないのか 齋藤孝 著 日本語は意識的に守らなければ消滅してしまう――。本書は長年、日本語教育に心血を注いできた齋藤孝氏の抱く、このような強い危機感から執筆されました。日本人にとって日本語とは、水や空気のように存在し、…
連れ連れに文学を語る ――古井由吉対談集成 古井由吉 ほか著 2020年2月18日に逝去した古井由吉氏は、1968年「木曜日に」を発表してデビュー後、71年「杳子」で芥川賞、80年『栖』で日本文学大賞、83年『槿』で谷崎潤一郎賞、87年「中山坂」で川端康成文学賞、…
自分がおじいさんになるということ 勢古浩爾 著 ■思いのほか愉しい「老いのリアルな日々」が綴られる 自分の身体が老いていく不安、老後のお金の不安、老後の孤独の不安…高齢化が進む中、老後に対する不安を数え上げればきりがありません。 本書は、そうした…
ワンピースのおんな 宇壽山貴久子 写真 すまあみ 文 本書は、ニューヨーク、カリフォルニア、そして日本各地に在住の50歳以上の女性61人をモデルにしたポートレート写真集です。「暮しの手帖」誌に11年間にわたって連載された作品をもとに、一冊にまとめまし…
誰でも確実に美文字になる るいとも練習法 川南富美恵 著 ◆書き方が似た字をまとめて練習するから、効率よく学べる。画期的美文字練習法 「もう少しうまく字が書けたら……」。そう思って、ペン字の練習をはじめても、なかなか上達しない、だから続けられない…
死にたいのに死ねないので本を読む ――絶望するあなたのための読書案内 吉田隼人 著 ◆縦横無尽な筆致で誘う「書物への旅」 ホフマン、ボードレール、マラルメ、ニーチェ、ハイデガー、バタイユ、藤原定家、上田秋成、波多野精一、九鬼周造、塚本邦雄、三島由…
世界大富豪列伝 19-20世紀篇 世界大富豪列伝 20-21世紀篇 福田和也著 ◆贅沢、豪奢、快楽を満喫した人生 渋沢栄一、フォード、小林一三、ピカソ、五島慶太、谷崎潤一郎、チャップリン、松下幸之助、安藤百福、本田宗一郎、田中角栄、力道山、ウォーホル、ヘプ…
難しい本をどう読むか 齋藤孝 著 ◆長引くコロナ禍の今こそ、名著を紐解くチャンス 「有名だから知っているけど、一度も読んだことがない本」「かつて3行だけ読んで放り出してしまった本」……。長引くコロナ禍でかつてなく人とのコンタクトが制限されている今…
難読漢字の奥義書 円満字二郎 著 漢字は中国で紀元前1400年ぐらいに生まれたとされる。中國北部の黄河流域が発祥の地とされる。日本へは4世紀ぐらいに入って来たらしい。古墳時代のことで、古墳の副葬品に漢字が書かれているものがある。ただ何度にもわたっ…