草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

夜、寝る前に心の宇宙旅行をしてみませんか?『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』野田祥代 著

夜、寝る前に読みたい宇宙の話

野田祥代  著

■目を閉じて、想像の力で地球を飛び出そう

 私たち人間は、ついささいなことで落ち込んだり、イライラしたり、目の前の現実に一喜一憂しがちです。とりわけ今は長引くコロナ禍により、心理的にもストレスが大変大きい時代です。心穏やかに日常を送ることが難しくなっているという方が増えているのではないでしょうか。
 そこで本書は、夜、寝る前のほんの一時、遠い宇宙に思いをはせ、「宇宙からの視点」で、地球や私たち人間を俯瞰することで、煮詰まってしまった心を解きほぐし、静かに「自分」を見つめ直すことを促すものです。

■「宇宙からの視点」が、あたりまえの日常を根本から変える

 著者は、現実に何か困った問題が起こったら、一呼吸して「心だけ宇宙に緊急避難」することをすすめています。大きさも時間の流れも“マックス”の宇宙からの視点で見てみれば、1人ひとりの人間の存在が、いかにかけがえがなく、はかなく、そして愛すべきものだということがわかるからです。
読みながら、宇宙誕生から現在にいたるまでの悠遠な時の流れを体感することで、私たちが本当に大切にすべき「あたりまえの日常」に気付かされることでしょう。
 この本は、宇宙について興味はあるけれど、科学知識があまりないという方にも気楽に読んでいただけるよう、全編にわたり平易な表現が使われています。
 もれなく宇宙の基礎知識も身に付きます。
夜のまったり時間にぜひ、興味を持ったところから自由に読んでいただければ幸いです。

(担当/吉田)

内容より

【宇宙に出て大地を思う】
宇宙へ―星空に出かけてみたら
水と空気と命のあたりまえ1―水
水と空気と命のあたりまえ2―空気と生命

【地上の星空】
夜空に描くイラスト―星座は深い世界の手前で輝く

【太陽と月のある世界】 
地球のこと―年齢は、太陽のまわりを旅した回数
月のこと1―月の意外な生い立ち
月のこと2 ―月の満ち欠けと月食
太陽のこと―日の昇る惑星

【宇宙の時間割】
遠くを見て、過去を知る―猛ダッシュ編―
遠くを見て、自分を知る―宇宙カレンダー編

【空からのおくりもの】
流れ星にねがいを―暗闇で自分と出会う時間
空から岩が落ちてくる1―宇宙をただよう巨大岩
空から岩が落ちてくる2―あなたにできること

【人生はあなたが主人公の物語】
宇宙から見た自分―科学がくれた俯瞰術

【星のふしぎ 地球のふしぎ 命のふしぎ】
 星のさだめ―ほどよい太陽、ほどよい地球、本を読む私
地球と人のさだめ―地球と人の未来
星と人の往還―星は死んで人になる?

【縦方向への旅】
現実と空想の月旅行―誰とどんな旅をしましょうか

【心の宇宙旅行】
広い世界へ(前編)―太陽系の外への旅
広い世界へ(中編)―銀河系への旅
広い世界へ(後編) ―未知への旅

【それでもまわる地球の上で】
星の下でつなぐ知恵と工夫―知恵のリレー
ひとつ空の下で―Under One Sky

著者紹介

野田祥代(のだ・さちよ)

1971年生まれ、愛知県春日井市出身。名古屋大学理学部物理学科卒、同大学院修了、博士(理学)。国立天文台天文データセンター勤務後、2018年より「あいプラネット」代表。理系文系の垣根をゆるやかにつなぐ「体験型リベラルアーツ™講座“はてなアカデミー”」エグゼクティブ。親子グループ「やとっこ天文あそび」、立場を越えて身近な宇宙を知ってもらう「西東京から宇宙を見よう」などのプロジェクトを手掛ける。「つたえよう 宇宙のふしぎ 星のふしぎ 地球のふしぎ 命のふしぎ」を合言葉に親子向け、大人向けの宇宙イベントを各地へ届けている。

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Amazon:夜、寝る前に読みたい宇宙の話:野田祥代著:本

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「未知の世界」に挑み続けることはなぜ重要なのか?『越境と冒険の人類史 宇宙を目指すことを宿命づけられた人類の物語』アンドリュー・レーダー著 松本裕訳

越境と冒険の人類史

――宇宙を目指すことを宿命づけられた人類の物語

アンドリュー・レーダー著 松本裕訳

 この本の著者はSpaceXでミッションマネジャーを務めている宇宙工学者です。原書のタイトルは“Beyond the Known”、つまり本書は「未知の世界へ」と誘われて歴史を刻んできた人類の壮大な旅の物語です。アフリカを出た人類の祖先は世界各地にどのように到達したのか、イヌイットがヴァイキングを滅ぼした可能性、貧しいヨーロッパが繁栄するアジアに出た大航海時代の裏事情、歴史を変えることになったコロンブスの誤解、飛行機が「もっとも安全な交通手段」になるまでの試行錯誤、そして宇宙開発競争の実態……など、めくるめく冒険の物語が、それぞれの時代の躍動感とともに綴られていきます。
 著者は本書を「歴史が何か教訓を与えてくれたとすれば、それは人類がまだ誰もなしとげていない何かに挑戦すると、驚くようなことが起こるというものだ。祖先がリスクを取ることを恐れていたら、人類はいまだにアフリカの大地溝帯の中に閉じこもる、興味深いが取るに足らない生き物のままだっただろう。だが、人類には探検家の血が流れている。自分たちと子孫のために未来を創造するべく、決然として不可能に挑んだ人々の血だ。人類には驚異的なことをなしとげる能力がある。必要なのは、挑戦しようという意思だけだ」という言葉でしめくくっています。
 誰かが無謀で過酷な長い旅に出たことで、イノベーションが起こり、新たな繁栄の足掛かりとなったことが、この本を読んでいただければご理解いただけるかと思います。その過程にはさまざまな悲劇や過ちもありましたが、それらを克服しながら人類は歩み続けています。歴史や宇宙に関心のある方にはもちろん、「過酷な旅や宇宙旅行になんの意味があるのか?」というような疑問を持つ方にもぜひ読んでほしい一冊です。                                              (担当/碇)

【目次】

第1部 起源 
 第1章 ゆりかごを出て 
複数の「人類」が存在する世界/ネアンデルタール人の痕跡/農業がもたらした大転換
 第2章 初期の放浪 
オーストラリアへの到達/南北アメリカ大陸への到達/イヌイットがなしとげた偉業/ネイティブアメリカンを襲った災禍
 第3章 海の人々 
広大な海洋文化圏の成立/「偶然の発見」か「意図された旅」か/ポリネシア人の航海心得/南への冒険、東への冒険/古代の船乗りたちによる香辛料貿易
 第4章 古代世界の探検者たち 
文化の「高速道路」としての地中海/古代エジプト人が目指した場所/パピルスに記された冒険譚/フェニキア人の広大な海運王国/最初の世界地図
 第5章 越境するギリシャ・ローマ 
すべてはクレタ島から始まった/西洋文明を生み出した力/ギリシャ人対ギリシャ人の大海戦/アレクサンドロス大王の冒険/ギリシャ文化を軸につながった東西/画期的な発明・発見/「蛮族」の地を旅したピュテアス/一般市民による科学的発見の旅/ローマを強国にした「好奇心」/史上最初の100万都市/「インドがローマ帝国から搾りとる」/「大秦」への使節団

第2部 世界の再発見 
 第6章 北からやってきた「蛮族」たち 
カエサルを苦しめた造船・航海技術/アイルランド人修道僧の航海/バイキング時代の始まり/文化の中心的存在としての船/侵略から定住へ/西方への拡大/グリーンランドの発見/北米への入植活動/アメリカで生まれた最初のヨーロッパ人/バイキングの北米入植はなぜ失敗したか
 第7章 初期の遭遇 
サツマイモ、ココヤシ伝播の謎/太平洋を航海したインカの皇帝/〈コンチキ号〉〈ラー号〉の挑戦/「接触」を示唆する数々の手がかり/流れ着いていた人々
 第8章 もう一つの地中海 
世界の中心だったインド洋/ルクソール神殿に落書きしたインド人/東南アジアに拡大したインド文化/東南アジア史上最大の帝国の出現/イブン・バットゥータの壮大な旅/インド洋の共通語としてのアラビア語/過去の栄光を呼び覚ます香辛料/遅れてきたヨーロッパ人の挑戦/ポルトガル対オスマン帝国
 第9章 中国の大航海時代 
革新的な大型海洋船舶ジャンク/モンゴル帝国の勃興/破壊者の功績/『東方見聞録』のインパクト/フビライ・ハーンの知的欲求/マルコ・ポーロの時代の旅人たち/後進地域としてのヨーロッパ/発明大国としての中国/中国が世界の覇権を握った可能性/鄭和の巨大艦隊/内向きになった大国の運命
 第10章 インドへの航路 
イタリア諸都市の覚醒/コグ船、カラック船、カラベル船/エンリケ「航海王子」の慧眼/「危険の父」を越えて/アフリカ大陸に立てられた十字架/世界を二分する境界線/バルトロメウ・ディアス、「最果て」への旅/「すべての海の提督」バスコ・ダ・ガマ/ポルトガル人の日本上陸が意味すること
 第11章 略奪と黄金 
コロンブスの確信/歴史を変えたコロンブスの錯誤/スペイン王室の思惑/「陸だ!」/「高潔な野蛮人」の発見/凱旋/それからのコロンブス/新大陸に移植された奴隷制度/「征服者」たちの出自/コルテスはなぜ成功したか/ピサロと182人の男たち
 第12章 世界一周 
事実誤認から生まれる大発見/マゼラン船団の不穏な航海/マゼランの死/世界一周の遺産

第3部 近代 
 第13章 貿易の帝国 
ヨーロッパの興隆の一因となった自然条件/印刷技術の普及は文字数の違い/オランダ興隆の理由/オランダの時代/英仏の角逐/奴隷制度
 第14章 開かれる大陸 
ハドソンの悲劇/マッケンジー/ルイス・クラーク探検隊/太平洋に到達/ベーリングの偉業
 第15章 科学のフロンティア 
略奪から科学的な調査へ/クック船長はなぜタヒチに向かったのか/南方の巨大大陸を探して/北西航路の発見/旅する科学者フンボルト/女性として世界初の海外旅行作家
 第16章 氷と雪の大地 
北極圏の氷に閉ざされた2隻の船/近代技術でも征服できない未踏の北極点/原子力潜水艦が北極点で浮上する/シャクルトンの偉大な救出劇/国際的な管理責任となった南極大陸
 第17章 空へ 
飛行機はもっとも安全な移動手段/必要以上の安全性で設計される/大西洋を横断した初の女性飛行士/「空の女王」イアハート/太平洋上に消えたイアハート
 第18章 宇宙競争 
宇宙旅行の基礎を築いた世捨て人/ナチスのロケット研究チームが戦後アメリカの宇宙計画を担う/世界を変えた〈スプートニク〉/宇宙競争に先行するソビエト/撮影された「地球の出」/月面に降り立ったアームストロング
 第19章 ロボットの目を通じて見た世界 
ロボットが月面を探索する/灼熱の金星と呪われた火星/私たちは火星人かもしれない/銀河の終わりまで旅する〈ヴォイジャー〉/NASAが別世界の生命探索に乗り出した/太陽系外惑星を発見するケプラー宇宙望遠鏡

第4部 『スタートレック』への道 
 第20章 未来へ 
超知性を持つAIの時代/人工知能は人類に悪意を抱くか/ブラックホールと腫瘍を発見する天体分光/宇宙への探求が新たなイノベーションを生む/宇宙に乗り出す人類
 第21章 火星への道 
地球に落下しないために超高速で移動する/予算不足でかろうじて生きているNASA/スペースシャトルは最悪のコストパフォーマンス/アポロ計画は冷戦時代の産物/宇宙飛行でもっとも成功している民間企業SpaceX/ロケットの再利用/最適な目的地は、月か火星か/火星の豊富な水資源/火星移住計画
 第22章 宇宙旅行者への道 
人類の二つの未来/宇宙の豊富な資源とエネルギー/惑星間の宇宙旅行は安くて簡単/宇宙採掘は莫大な利益を生む/宇宙で野菜を育てる/宇宙に豊富なヘリウム3を燃やして電力を生成する/金星の雲の中に浮かぶ都市/もっとも魅力的な土星の衛星タイタン/温室効果を生み出して火星を地球化する/太陽系に地球の子孫があふれる
 第23章 星間を旅する 
史上最高速の探査機でも6500年かかるプロキシマ/ロケットに適用されるニュートンの第三法則/宇宙船の推進力に核爆弾を使う「オリオン計画」/核融合ロケットは可能か/宇宙を「ワープ」させて移動する/人類は銀河系を横断できるか/「世代宇宙船」あるいは多世代にわたる旅/人類は探検家の血筋を引き継いでいる
 第24章 異世界の生命 
地球外生命体の可能性/衛星の闇の海を泳ぐ微生物/火星に生命体は存在するか/生命の起源はRNA(リボ拡散)の鎖から/多様な生物の化石/ヒトの祖先「ピカイア」/「目」を進化させた地球の生物/知的生命体の身体的特徴/コミュニケーションを取る知的生命体/人類のような奇跡の進化を遂げた地球外知的生命体/高度な文明の宇宙人との遭遇
 第25章 最終目的地 
宇宙史の分岐点に立つ人類/確実に進歩している文明/特定の星に適応する進化/不老不死への道筋/世界がシミュレーションである可能性/探険に挑み続ける人類

著者紹介

アンドリュー・レーダー

SpaceXでミッション・マネジャーを務める航空宇宙工学者。マサチューセッツ工科大学でPhDを取得(宇宙工学)したのち、いくつかの宇宙関連企業を経て現職。著作に“Leaving Earth: Why One-Way to Mars Makes Sense”(未邦訳)がある。

訳者紹介

松本裕(まつもと・ゆう)

翻訳家。ミアーズ『VIP』(みすず書房、2022)、ヴァイディアナサン『アンチソーシャルメディア』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020)、コリンガム『大英帝国は大食らい』(河出書房新社、2019)、ブラウン『カミングアウト』(英治出版、2018)ほか訳書多数。

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Anazon:越境と冒険の人類史 宇宙を目指すことを宿命づけられた人類の物語:アンドリュー・レーダー著 松本裕訳:本

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オックスフォードの心理学者による、感覚刺激を操作して生産性を高める方法『センスハック 生産性をあげる究極の多感覚メソッド』チャールズ・スペンス著 坂口佳世子訳

センスハック

――生産性をあげる究極の多感覚メソッド

チャールズ・スペンス著 坂口佳世子訳

スマートフォンやPCなどにより、あまりにも多くの刺激に囲まれる現代社会。その一方、触れ合いに飢えている人が増えるなど、私達の感覚にかかる負荷はバランスを失っています。本書は、オックスフォードの心理学者がおくる、自分たちの環境の感覚を見直し、最適な刺激が得られる空間を構築する=センスハックすることで、「より生産性が高く」、「よりストレスレス」で、「より幸福な人生」を実現する、画期的な感覚改善の書です。

・アパレル店舗併設のカフェの本当の目的は?

住宅、オフィス、店舗、家電、車、恋愛、スポーツ、病院…センスハックできるシチュエーションはあらゆる場面にあります。いくつかの例をここで紹介します。
まず、基本ともいえる家についての章では、いかに嗅覚、色彩、光、植栽といった要素が、快適な生活にとって重要なものであるかをデモンストレーションします。
センスハックの王様とされる車では、ドアの重さ(重い=安全性との関連)、新車の匂い(インテリア材そのものではない合成された香り)、エンジン音(本当は車内に聞こえないほど静かになっているが、快適に感じるようにあえて合成音を社内に流している)など、無意識の感覚に訴えるいくつもの工夫が凝らされています。
ほかにも、ユニクロなどカフェが併設されているアパレルを見てみると、これは一見同伴者の買い物が終わるまでの暇つぶしのようにみえますが、実は人間は視覚と嗅覚というように、いくつかの感覚を組み合わせると刺激が強化されるということが判明しており、実際には購買意欲を上げるためにいい香りを漂わせるという戦略なのです。

・パンデミックの時代に、身の回りの環境改善を考える

そのほかにも、マッチングアプリのプロフィール写真には楽器を持った写真を載せるべき(楽器が弾ける=器用さは生存に有利であるという判断のバイアスがある)、アップルのディスプレイ角度は最適角度からずれている(角度を直したくなることで近づくよう仕向けている)、丸いテーブルのほうが会議がまとまりやすいなど、進化心理学や認知科学的な裏付けによる、多種多様なセンスハックが本書には満載です。人間の進化や認識に基づいたこれらの感覚刺激のデザインを理解することは、パンデミックにより身の回りの空間の大事さに改めて向き合わされている私たちにとって、劇的に環境を改善できるヒントをもたらしてくれるはずです。建築家、カーデザイナー、スポーツマン、マーケターほか、すべての人に読んでいただきたい1冊です。

(担当/吉田)

著者紹介

チャールズ・スペンス

オックスフォード大学教授。専門は実験心理学。トヨタ、ユニリーバ、ペプシコ、ネスレなど多くの多国籍企業で、多感覚デザイン、パッケージ、ブランディングなどのコンサルティング経験がある。著書に『「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実』(KADOKAWA)がある。

訳者紹介

坂口佳世子(さかぐち・かよこ)

筑波大学大学院博士課程単位取得退学。宮崎大学名誉教授。アメリカ文化論、現代アメリカ文学専攻。著書『〈法〉と〈生〉から見るアメリカ文学』(共著、悠書館、2017年)、『グローバル化の中のポストコロニアリズム』(共著、風間書房、2013年)、『ソール・ベロー研究――ベローの文学とアメリカ社会』(単著、成美堂、2003年)他。

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齋藤孝氏が満を持して世に問う「日本語論」『なぜ日本語はなくなってはいけないのか』齋藤孝 著

なぜ日本語はなくなってはいけないのか

齋藤孝 著

日本語は意識的に守らなければ消滅してしまう――。本書は長年、日本語教育に心血を注いできた齋藤孝氏の抱く、このような強い危機感から執筆されました。
日本人にとって日本語とは、水や空気のように存在し、当たり前のように使用しているもの。ところがこの日本語は、先人たちの努力によって少しずつ形を変えながら継承されてきたものであり、私たちはこれを次の世代へと伝えていく責務がある、と齋藤氏は訴えます。
本書の冒頭で取り上げられるのは、中国の新疆ウイグル自治区や内モンゴル自治区で行われている言論圧殺問題です。中国では少数民族の弾圧・同化政策が進められており、世界中から非難を浴びていますが、これはまさに特定の民族の言語を暴力的かつ強制的に奪い取ろうとする行為にほかなりません。歴史的にはこのようにして失われてしまった言語が多数存在します。
また日本企業が英語を社内公用語にするなど、普遍語としての影響力を増す英語に対して過剰なまでに同調する趨勢にも疑問を呈します。
「日本語なくして日本人なし」。本書では日本語が置かれた現状に警鐘を鳴らすとともに、ではどうすれば日本語を守ることができるのか、見事な日本語の実例を豊富に挙げながら論じられます。齋藤孝氏が、満を持して世に問う「日本語論」を是非ご一読ください。

(担当:渡邉)

 

【目次】

はじめに

第一章    努力しなければ日本語は守れない

失われてしまった言語たち/日本では取り上げられない言論圧殺問題/あるカザフ人女性の痛切な訴え/再教育施設のおぞましい内実/繰り返された「文化大革命」/中国各地で同様の問題が起きている/言語を守ることは人権を守ること/言語が奪われるとはどういうことか/消滅の危機にあるアイヌ語の美しさ/さまざまな言語を認め合う時代/多様性と逆行する英語の圧力/世界言語=優れた言語ではない/日本の総理は海外で英語を話すべきか/英語ができなければビジネスはできない?/英語コンプレックスに立ち向かったガンジー/日本語はいつまでも「当たり前なのか」/日本語を守るために必要なこと

第二章 日本の精神文化が失われつつある

『日本語が亡びるとき』の問題提起/日本語の水準と誇りをいかにして保つか/古文・漢文はオワコン?/失われつつある文語体の魅力/かろうじて日常に残る文語体だが……/文豪の語彙力が失われつつある/素読世代が生み出した傑作『渋江抽斎』/素読で日本語の精神を身体化する/福沢諭吉のユーモアあふれる日本語/方言が失われつつある/日本語で先人と感覚を共有する/「日本人に生まれてよかった」と思えるか/漢字が教えられていないという大問題/小学校の国語の教科書は薄すぎる/『声に出して読みたい日本語』が誕生した理由/『にほんごであそぼ』に関わって気づいたこと

第三章 日本語はなぜ貴重なのか──その特徴と魅力

謎に包まれた日本語の起源/日本語に革命をもたらした言文一致運動/日本語には主語がない/日本語文は三種類の述語で構成される/日本語と主客未分の哲学/「こと的な世界観」に生きる日本人/「お茶が入りました」のメンタリティ/省略を重んじる日本語の美学/「省略の美」は海外にも受け入れられている/「あいうえお」の語感と独自の意味/日本語と身体感覚のつながり/海外から見た日本語の特徴/日本語の特徴は柔軟性にある/西田幾多郎の「国語の自在性」

第四章 日本語を守るためにはどうすればいいのか

幼児期から名文に触れさせる意味/日本語が言葉の感性を高める/子どもは名文に感応する力を持っている/暗誦文化の復活がカギ/多様なニュアンスの込められた文学日本語/読書体験の重要性/「精神の継承」という奇跡を味わう/文学は「奥行きのある解釈」を可能にする/翻訳書で日本語を楽しむ/俳句ブームは一つの希望である/英語しか認めないのは時代遅れ/企業が英語力よりも大切にすべきこと/英語力と世界的な才能は無関係/日本の文化を守ることも大切/吉田松陰の徹底した無私の姿勢/日本の精神をどう受け継ぐか

おわりに

 

著者紹介

齋藤孝(さいとう・たかし)

1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒、同大学大学院教育学研究科博士課程を経て、現在、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。著書に『宮沢賢治という身体』(宮沢賢治賞奨励賞)、『身体感覚を取り戻す』(新潮学芸賞)、『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞)、『難しい本をどう読むか』など多数。

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1回の公演で集めた投げ銭の最高額は78万円!閉塞感に風穴をあける自由で柔軟な人生行路。『ギリヤーク尼ヶ崎という生き方 91歳の大道芸人』後藤豪著

ギリヤーク尼ヶ崎という生き方

――91歳の大道芸人

後藤豪 著

 ギリヤーク尼ヶ崎さんは、1930(昭和5)年生まれの大道芸人です。日本が高度経済成長に沸いていた1968(昭和43)年にはじめて路上に立ち、以来今日まで国内外の街頭で踊り続けてきました。赤ふんどしにじゅばん、破れ笠という独特ないでたちがトレードマークで、体を地面に叩きつけ、時には池に跳び込んで情念をぶつける踊りは、かつて「鬼の踊り」と評されたこともあります。

 そのキャリアの後半、阪神大震災をきっかけに自身の踊りのテーマを「祈り」に変容させた後は、ニューヨークのグラウンド・ゼロや東日本大震災の被災地でも踊りを披露し、さまざまなメディアで取り上げられています。コロナ禍が始まる以前、ギリヤークさんの街頭公演には多くの老若男女が集まり、大盛況でした。1回の公演で集めた投げ銭の最高額はなんと78万円だそうです。

 エキセントリックともいえる芸風で人目を集める大道芸人でありながら、誰に対してもフレンドリーで朗らかなギリヤークさん。この本の著者はそんなギリヤークさんに魅せられて、10年以上にわたって取材してきた新聞記者です。昭和、平成、令和とつねに「新たなファン」が生まれ続けているギリヤークさんですが、その不思議な魅力の根源には、誰に対しても壁を作らずありのままの自分をさらけだす人となりがあるのはまちがいないでしょう。

 そんなギリヤークさんが路上で踊り始めたのは、じつは38歳のときでした。多くの日本人が50代で定年を迎えていた時代ですから、ずいぶんと遅いデビューです。「もう〇歳だから××しなくては」といった感覚に縛られないから、91歳の今日まで現役を続けられたのかもしれません。また、必要があれば遠慮せずまわりに助力を求める、というのもギリヤークさんの流儀です。まったく面識のない平山郁夫氏に手紙を出して、平山氏の助力で中国公演を実現させるなど、驚くような結果がそこから生まれることもたびたびありました。 

 詳しくは本書をお読みいただきたいのですが、ギリヤークさんは自由な生き方の代償として生活の不安定さともつねに向き合ってきました。ですが、浮き沈みの日々を振り返るギリヤークさんの口調はどことなく楽しげで、生きることの歓びがにじみ出ています。誰もがギリヤークさんのように生きられるわけではありませんが、本人の飾らない言葉をもとにその人生行路をたどっていくと、気持ちの良い風に吹かれているような涼やかな気持ちになるのはたしかです。閉塞感あふれる日々に風穴をあけてくれる味わい深い一冊です。

(担当/碇)

【目次】
第1章 90代
公園の地べたに座り、化粧をはじめた老人
「尼ヶ崎勝美」から「ギリヤーク尼ヶ崎」へ
「日本に生まれ、ここにいます」
「定番エピソード」をめぐるミステリー
「91歳という年齢が怖いですね」
「惚れっぽかった。そこのところ、話しておくよ」 
「もう少し真剣に楽しく、精一杯生きてみようかな」
「でも僕、弱ってきているね」 
新型コロナのワクチン接種「痛くない」 
「僕なんか、一つの娯楽ですよね」 
「過去の元気なときの場所や芸を思い出すんです」 

第2章 誇りと後悔 
「芸人」「夢」「念力」を語る 
故郷で91歳初の公演に臨む 
理想と現実、悔恨と感謝のはざまで 
「父親のことも同じくらい思っている」 
「数寄屋橋公園もすっかり年をとったね」 
「門真国際映画祭」授賞式 
2週間の入院 

第3章 紆余曲折 
祖母に連れられて映画館通い 
「予科練」に憧れた軍国少年 
旧制中学を5年で中退 
月2万円の仕送り 
険しかった映画俳優への道 

第4章 追いつめられて 
舞踊家失格 
倒産、大火、身内の死 
我流で「星空と自分が一つになる」呼吸法を習得 
30歳で再上京 
突破口を探して 
「いろいろ考えたけど、いっさい全部ダメだった」 

第5章 世界の街頭で 
銀座・数寄屋橋公園で街頭デビュー 
新宿・伊勢丹前の歩行者天国で警察に連行 
最高の場所だった渋谷ハチ公前 
「母さんにとっては、ちり紙も投げ銭の一部だった」 
革命記念日のパリで踊る――初の海外公演 
「ニューヨークは自由だった」――初の渡米 
渡航費用をだましとられる 
赤いサポーター誕生秘話――半月板手術 
「僕に役者の才能はなかった」――伊丹映画に出演 
自費ではるばるアマゾンへ 
母・静枝さんとの別れ 
「ギリヤーク族に似てますね」――サハリン公演 
チャールズ・チャップリンの息吹――英国公演 
「このころがいちばん、貯金があったのかな」――ロシア公演 

第6章 祈りの踊り 
血を流しながらの舞踊――阪神大震災 
「大東亜戦争で亡くなったすべての人のために」――中国公演 
1回の公演で78万円の投げ銭が入った 
「寂しい目つきの人が多かった」――世紀末のドイツで 
「祈り続ける」ということ――米国同時多発テロと東日本大震災 
「本当は、踊りなんかできる状態じゃないの」 
86歳にして新しいスタイルを導入 
「『身体維持費』がものすごくかかるんですよ」 
「最後に残る演目は何だろうか」

著者紹介

後藤豪(ごとう・つよし)

1981年東京都生まれ。2005年毎日新聞社入社。青森支局、大阪社会部、東京社会部などを経て、18年10月から東京経済部。生損保や証券、IT業界などを担当し、菅義偉政権(20年9月〜21年10月)の時は、デジタル庁創設への動きを追った。今回が初の単著となる。

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Amazon:ギリヤーク尼ヶ崎という生き方 91歳の大道芸人:後藤豪著:本

楽天ブックス: ギリヤーク尼ヶ崎という生き方 - 91歳の大道芸人 - 後藤 豪 - 9784794225719 : 本

人類との関係が年々「深化」する、菌類のスーパースター『酵母 文明を発酵させる菌の話』ニコラス・マネー著 田沢恭子訳

酵母 文明を発酵させる菌の話

ニコラス・マネー著 田沢恭子訳

人類はいかに酵母と出会い、お互いに依存するようになったのか。この微生物が、どのように人類の歴史を導いてきたのか。そして21世紀に入り、両者の関係がどれだけより発展しているのか。本書は、そんな酵母と人類の深い仲を語り尽くします。
人類と酵母の出会いは、厳密には人類誕生以前に遡ります。何を言っているのかわからないと思うかもしれませんが、これはどういうことかというと、人類がアルコールを分解できる遺伝子を持っているのは、人類の祖先である猿たちが、アルコールを摂取していたことと関係があるのです。
酵母はどこにでもいるので、最初のアルコール製造、パン製造は偶然の産物であったでしょう。ワイン酵母が誕生したのは1万年ほど前とされていますが、これは奇しくも多くの動物の家畜化と同じタイミングです。
パン製造は、その工業化を極めて洗練させていきますが、同時に酵母そのものを食料にすることも発明されます。その高い栄養価に注目し、ナチスが酵母食品の開発を計画したこともあるほどなのです。
酵母はどこにでもいる一方で、その存在が科学的に発見されるのは19世紀と意外にも遅かったのですが、以降の研究はめざましく、人類が真核生物で全ゲノムを初めて明らかにしたのは酵母であり、遺伝子研究に大きな貢献を果たしているのです。
そして、今世紀に入ってからは、バイオエタノール燃料の生産者として存在感を増しているほか、糖尿病やマラリアなどの重要な病気の薬の生産にも役立っています。また、大気中に酵母があると、水分が集まり雨が降りやすくなることから、気候変動制御の面でも注目されるなど、SDGsの時代において、人類との関係がより「深化」しているのです。
本書を読むと、酵母が想像以上に私たちの文明の多くを支えてくれている重要な存在であることがおわかりいただけるかと思います。身近すぎるからこそ普段意識しないこの偉大な菌について、少しでも興味を持っていただければ幸いです。

<目次より>
第1章 はじめに 酵母入門(Yeasty Basics)
第2章 エデンの酵母(Yeast of Eden) 飲み物
第3章 生地はまた膨らむ(The Dough Also Rises) 食べ物
第4章 フランケン酵母(Frankenyeast) 細胞
第5章 大草原の小さな酵母(The Little Yeast on the Prairie) バイオテクノロジー
第6章 荒野の酵母(Yeasts of the Wild) 酵母の多様性
第7章 怒りの酵母(Yeasts of Wrath) 健康と病気

(担当/吉田)

著者紹介

ニコラス・マネー

イギリス生まれ、エクセター大学で菌類学を学ぶ。マイアミ大学生物学教授。生物学に関する多くの著作がある。邦訳書に『生物界をつくった微生物』、『ふしぎな生きものカビ・キノコ―菌学入門』、『キノコと人間―医薬・幻覚・毒キノコ』(以上、築地書館)、『利己的なサル―人間の本性と滅亡への道』(さくら舎)などがある。

訳者紹介

田沢恭子(たざわ・きょうこ)

翻訳家。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科英文学専攻修士課程修了。翻訳書に『アルゴリズム思考術』(早川書房)、『戦争がつくった現代の食卓』、『バイオハッキング』(以上、白揚社)など。

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竣工から50年。カプセルタワーという名建築の終局『中銀カプセルタワービル 最後の記録』中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト編

中銀カプセルタワービル 最後の記録

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト編

1972年に竣工した、日本建築史に残る名作、中銀カプセルタワービル。建物が新陳代謝し、時代ごとに成長するという革新的な「メタボリズム」の概念に基づいて黒川紀章が設計したこの建物は、竣工50年という節目の2022年、ついに解体されます。
本書は、 写真400枚以上、114カプセルを収録する 、最大にして最後の記録集です。この解体にいたるまで撮影できなかった場所も多く記載されているほか、実測図面をみると、いかに住み手が自由にカプセルを改造していたかが詳細に見て取れます。その他にも、2本の論考、黒川紀章の子息である黒川未来夫氏とメタボリズム研究の大家である八束はじめ氏の対談も収録した、決定版と言える内容です。論考では、芝浦工業大学の松下希和氏が、カプセルタワーの竣工から50年について語り、工学院大学の鈴木敏彦氏は、大胆にも取り外したカプセルの活用について、建築的な提案を行っています。対談では、カプセルタワーについて総括しつつ、黒川紀章に直接接した両氏ならではのお話や、軽井沢にあるカプセルタワーの半身ともいえる「カプセルハウスK」の今後についても触れられています。

本書をご覧いただければ、この建物が、斬新なコンセプトゆえに、竣工50年後に奇しくも今日的な空間になっていることがおわかりいただけると思います。同時に、世界的にも評価されるこの建築を、今の日本では残すことができないという現実に向き合わされる思いを抱かされる方もいるかもしれません。しかし、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトはただ解体されるのを受け入れているわけではありません。状態のいいカプセルを取り外し、美術館や滞在施設として活用する今後のビジョンを検討しています。歴史的な建築の保存制度が十分ではない日本において、「メタボリズム」の定義を読み替えて、新しいカプセルの活用を見出そうとしているのです。この名建築の解体は、単に1つの建築の終わりではなく、日本の建築保存の厳しい現状を露呈しつつ、そこで保存に立ち向かう人がいかに奮闘しているのかという、もっと大きな課題を浮き彫りにしているのです。

最後に、この建物をありのままの姿で残すべく最後まで奔走し、解体決定後も、取り外される予定のカプセルの今後の活用について模索し続けている中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトの代表の言葉をおくります。
「解体はされますが2022 年は中銀カプセルタワービル竣工50 周年の記念すべき年です。本書の出版を筆頭に、企業や団体の協力により様々なイベント等が展開されます。また実物のカプセルとみんなの思いは、日本はもちろん海外にも引き継がれていきます。これが
きっかけで新たなクリエイターやアーティストが誕生し、メタボリズムの思想を引き継いだ「シン・カプセル建築」が生まれる、そんなワクワクする未来が訪れることを願っています。 」

(担当/吉田)

編者紹介

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト

代表・前田達之。1967年、東京生まれ。中銀カプセルタワービルの保存と再生を目的に、2014年にオーナーや住人とプロジェクトを結成。見学会の開催や取材・撮影等のサポートを行う。編著書に『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』(2015年、青月社)『中銀カプセルスタイル 20人の物語で見る誰も知らないカプセルタワー』(2020 年、草思社)などがある。
プロデューサー・菅井隆史。1992年、東京生まれ横浜育ち。オフィスの空間デザイナーとして勤務しながら、プロジェクトに参画。編著書に『黒川紀章のメタボリズム思想と中銀カプセルタワービルの現状』(2014年、日本建築学会学術講演会)『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』(2015 年、青月社)がある。

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