草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

地層を趣味にしてみては?『すごい地層の読み解きかた』小白井亮一 文・写真

すごい地層の読み解きかた

小白井亮一 文・写真

地層の愛好家を増やしたい! ハイ・アマチュアによる「布教本」が登場

 地層・地質の話が頻出するテレビ番組「ブラタモリ」が大人気となったり、世界自然遺産やジオパークといった形で地質や地層が観光の対象になったりと、近年、地層に注目が集まりつつあります。しかし、一般の方が地層を趣味として楽しもうと思っても、良い入門書がほとんどなく、この趣味への敷居を高くしてきました。
 本書は、そのような状況を変えて地層愛好家を増やしたいという願いから、ハイ・アマチュアが奮起して著した、いわば地層趣味の「布教本」です。十代の頃から半世紀近く地層趣味にハマり続けてきた著者が、撮りためた地層写真を使いつつ地層のおもしろさを伝える、初心者大歓迎の入門書。大学などの学術機関に籍を置かないアマチュアならではの楽しい本でありながら、一方で著者は大学院で地学を専攻しており、本書の執筆にあたっても様々な学術資料を駆使して調査していますので、非常にしっかりした内容になっています。

地層を知ることの楽しさが溢れんばかり。7つのすごい地層に秘められた過去を謎解き

 本書は全7話で構成されています。その内容は、日本国内の7つの地層に封印された過去を、100点近くの美しい写真とともに読み解いていくというもの。「封印された過去」は、地球規模の天変地異から、古代の不思議動物のトイレまでと、バラエティに富んでおり、「えっ、そうだったの?」「こんなところに大事件の証拠が?」と驚くこと間違いありません。全7話のあいだには、地層の基礎知識が自然と身につく楽しいコラムが挿入されています。
本書はいわば、地層趣味を極めたハイ・アマチュアの著者による、アマチュアのための地層本。文章や写真からは地層を知ること、探究することの楽しさが溢れんばかりで、堅苦しさは一切ナシ。本書をきっかけに、多くの方が地層趣味に目覚めてくれることを、著者とともに願っています。

(担当/久保田)

 

【目次と内容紹介】
第1話 地層バラバラ事件
地層が大きく割れてひっくり返って、バラバラに。なぜそんなことが?

第2話 美しい地層、でもその裏で…
シマシマに並ぶ地層。そのシマシマができる恐ろしい原因とは?

第3話 地層に残る意外な痕跡
太古の現象がそのまま「形」になって残る。奇妙な膨らみ「キャスト」とは?

第4話 “古代”アマモの正体は?
数十年前まで「海底植物の化石」とされていたものの正体は、全然別のものだった!

第5話 チャートが語る、異常な事件
プランクトンでできたチャートの地層。その色が解き明かす地球規模の天変地異とは?

第6話 海のものとはひと味違う
地層に残された特徴から一つ一つミステリーを読み解き、かつての光景がよみがえる。

第7話 地上の破滅を記録した地層
6600万年前の恐竜絶滅を起こした隕石衝突。その証拠が日本にもあった!

 

第1話 地層バラバラ事件
地層が割れてひっくり返って、バラバラに。なぜそんなことが?

第2話 美しい地層、でもその裏で…
シマシマに並ぶ地層。そのシマシマができる恐ろしい原因とは?

第3話 地層に残る意外な痕跡
太古の現象がそのまま「形」になって残る。奇妙な膨らみ「キャスト」とは?

第5話 チャートが語る、異常な事件
プランクトンでできたチャートの地層。その色が解き明かす地球規模の天変地異とは?

 

著者紹介

小白井亮一(こじろい・りょういち)

1960年、東京都生まれ。1986年3月、千葉大学大学院理学研究科(地学専攻)修了。国土地理院にて、測量・地図作成や災害対応の業務に携わり、2021年3月退職。現在は、地層・化石・岩石・鉱物のこと、簡単にいえば“石の世界”について、興味深く、わかりやすく伝える執筆活動に取り組んでいる。たとえると“石の世界”の案内人。これまでの著書に『楽しい地層図鑑』(草思社)、『わかりやすい測量の数学 行列と最小二乗法』、『わかりやすいGPS測量』(ともにオーム社)、『地形のヒミツが見えてくる 体感!東京凸凹地図』(分担執筆、技術評論社)などがある。

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