草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

「好き・嫌い」「得意・苦手」…差がつきやすい論理力を伸ばすには?

考える力がつく算数脳パズル 論理なぞぺー《対象:小学1年~6年》

高濱正伸(花まる学習会代表)・川島慶(花まるラボ代表)・秋葉翔太 著

◆小学校時代のパズル体験こそが、将来の論理力のカギ!

 累計39万部の大人気学習パズル「なぞぺー」シリーズに、「論理力」に特化したパズル集が登場しました。

 論理の能力は、大人でも「得意・不得意」「好き・嫌い」が分かれやすいにもかかわらず、社会に出てからあらゆる場面で非常に重視されます。これほど大事な能力なのに、なぜこんなに個人差がついてしまうのでしょう?

 本書の著者、大人気学習塾・花まる学習会代表の高濱正伸さんによれば、将来の論理力を育むカギは、小学校時代の論理パズル体験にあるといいます。たくさんの子どもたちを見てきた経験から「小学生のころパズルが大好き・得意で、中学生以降に論理的思考が苦手になったという子を、見たことがありません」と断言しているのです。

 ということは、子ども自身が論理パズルを大いに楽しむことが大切です。本書『論理なぞぺー』は、子どもが夢中になる楽しい問題で定評のある花まる学習会のメソッドで作られており、もちろん良問ばかり。のめり込むように面白がること間違いありません。

◆そもそも「論理力」とは何か? 何の役に立つ?

 しかし、そもそも世に言う「論理的な思考」の力とは、いったい何のことでしょう。高濱さんはズバリ、問題への論理的アプローチのことで、つまり「問題から『必要条件』を見つけ『場合分け』をすること」だと言います。言い換えると、答えの範囲を絞る糸口を探し、可能性が複数ある場合は1つの例に決めつけず丁寧に場合分けをしていくこと。問題解決に直結する力なのです。

 算数の良問は、気づきにくいけれども言われてみれば実に合理的な必要条件と、思いついた例だけでなくその他の可能性もすべて考慮しないと解ききれない場合分けとを、絶妙に折り込んでいますが、本書のパズルもそのように作られているのが特徴と言えます。また、解く過程で「背理法」「対偶」といった論理学の基礎的な感覚や、「文章を要約する力」「わかるところからはじめて試行錯誤する力」など、言葉を論理的に運用する力や、解を論理的に探索する能力も身につきます。

 身になる形で、楽しみながら論理の力がつく『論理なぞぺー』。ぜひ多くの子どもたちに体験してもらいたい学習パズルです。

【例題】

すべてつながっているようにみえる橋ですが、じつは何本かこわれていて、行けるところと行けないところがあります。

行けるところ、行けないところをヒントに、こわれている橋に×を、こわれていない橋には○をつけましょう。

(答えは本書をご覧ください)

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(担当/久保田)

著者略歴

高濱正伸(たかはま・まさのぶ)

花まる学習会代表。1959年、熊本県生まれ。東京大学大学院修士課程卒業。93年に、学習教室「花まる学習会」を設立。算数オリンピック問題作成委員・決勝大会総合解説員。著書に『考える力がつく算数脳パズルなぞぺー①②③』のほか同シリーズの『鉄腕なぞぺー』『空間なぞぺー』『みみなぞ』(以上、草思社)などがある。

川島慶(かわしま・けい)

1985年神奈川県生まれ。栄光学園高校・東京大学・同大学院卒。2011年、花まる学習会入社。2014年、株式会社「花まるラボ」を設立。東京大学非常勤講師。4歳児から大学生までを指導している。中高時代の恩師とともに児童養護施設や海外孤児院への学習支援にも継続的に取り組んでいる。高濱との共著に『考える力がつく算数脳パズル 迷路なぞぺー』、同シリーズの『整数なぞぺー』(以上、草思社)など。

 秋葉翔太(あきば・しょうた)

1989年神奈川県生まれ。湘南高校•東京大学工学部卒。幼い頃からパズルの創作を趣味としており、大学時代は東京大学ペンシルパズル同好会に所属。現在は発明や創作物を扱う知的財産に関する勉強をしながら、花まる学習会•花まるラボの問題作成担当として算数パズルや教材の開発に関わる。

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