草思社のblog

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「正確に読む」「工夫して伝える」が楽しくなる。花まる学習会のメソッドが詰まった問題集『考える力がつく 読解力なぞぺー レベルアップ編 小学3~4年』高濱正伸・竹谷和著

考える力がつく 読解力なぞぺー レベルアップ編 小学3~4年

高濱正伸・竹谷和 著

◆生きることの土台・学びのみなもとである「読解力」を育む

読解力の低下は、昨今、子どもだけでなく大人にも広がっていると、大きな注目を集めています。

ここでいう読解力とは、いわゆる文学作品の読解に限らないもので、教科書を読み解き、算数の文章題を間違いなく理解するといった、知識獲得や学習、問題解決、論理的思考などのために必ず必要な言語能力までを含みます。この能力の差は、学年が進むにつれて、さまざまな教科における学習成果に大きな差を生みます。また、社会へ出てからも、メールなどのテキスト・ベースで仕事を進めることが増えた現代において、読解力の欠如は、多くの場面で問題となりがちです。

読解力は、まさに「生きることの土台」「学びのみなもと」と言える能力なのです。

本書は、好評の『考える力がつく読解力なぞぺー〈小学2~3年〉』の続編。対象を小学3~4年として、前作より少しだけむずかしくなった分、問題の幅や深みが格段に増して、ずっと楽しいものになりました。

家紋の呼び名や、「パン」という言葉の語源、エスペラント語など、多くの子が初めて出会う面白い知識に関する問題から、料理のレシピ、図書館での本の貸出規則、遊園地からホテルへ早く着ける交通機関の選び方といった、身近に遭遇する場面を題材にした問題まで、さまざまなバリエーションのものが用意されています。

さらには、因果関係や事実関係の推定、三段論法の運用など、論理力・批判的に読み解く力を鍛える問題も掲載。「フェイクニュース」や、SNSの誤読・誤解による炎上などに巻き込まれないために、必要な能力を養います。

◆読むことが好きになると、高学年から重要となる自律学習が促される

高学年になると、知らない言葉を自分で調べたり、好きな本を読んだりして知識を得る、自律的な学習の比重が高まっていきます。このとき、読解力の差は、その後の学びに大きな差を生むことになっていきます。とはいえ、読解力は一朝一夕に高まるものではありません。

人気学習教室「花まる学習会」から生まれた『なぞぺー』シリーズは、子どもたちに「わかった!」という成功体験をしてもらうことで、どんな問題でも自分で解きたい、わかりたいという気持ちを育み、学習意欲を伸ばすことを目標としています。本書も、文章を読んで理解することの楽しさを、面白いパズル形式の問題を通じて体験してもらい、「もっと文章を読みたい」「新しい知識に触れたい」と、感じてもらうことを目指したもの。本書を通じて、楽しみながら読む事への前向きさを養い、一歩一歩実力を伸ばしてもらえたら幸いです。

(担当/久保田)

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著者紹介

高濱正伸(たかはま・まさのぶ)

1959年、熊本県生まれ、東京大学大学院修士課程卒業。93年に、学習教室「花まる学習会」を設立。算数オリンピック委員会理事。著書に『小3までに育てたい算数脳』(健康ジャーナル社)、『考える力がつく算数脳パズル』シリーズの『なぞぺー1~3 改訂版』『空間なぞぺ~』『整数なぞぺー』『迷路なぞぺ~』『絵なぞぺ~』(以上、草思社)などがある。

竹谷和(たけたに・かず)

花まる学習会教材開発部所属。年中から中学3年生までの幅広い学年に対しての教材開発、そして各種教材/参考書出版にも携わる。毎年行われている「花まる作文コンテスト」統括、読書感想文講座の実施、研修等、講演会以外に「書くこと」についての楽しい経験を生み出すべく活動。主な著書に『作文・読書感想文 子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる』(実務教育出版、高濱との共著)『考える力がつく 読解力なぞぺー』(草思社、高濱との共著)がある。

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