草思社のblog

ノンフィクション書籍を中心とする出版社・草思社のブログ。

海エッセイの傑作 『海のプール 海辺にある「天然プール」を巡る旅』清水浩史 著

海のプール

ーー海辺にある「天然プール」を巡る旅

清水浩史 著

海と太陽、透明感、静寂、自由――きらめく「ノスタルジック・プール」の世界へ。

北海道から沖縄、豪州まで…本邦初!野趣あふれる海のプール遊泳記 

 

【海のプールとは】

海辺の岩場を掘ったり、海を必要最小限のコンクリートで囲ったりして造られた海水プールのこと。日本国内に約20ヶ所現存し、多くは1970〜80年代に誕生。潮の干満により自然に海水が循環するプールで、その形状はみな個性的。海の青とプールの水色のコントラストやその一体感は美しく、静寂と自由に充ちている。魚影も楽しめる。

 

長年、海や島を巡る旅を続ける著者による、異色の旅エッセイ。
わずかに人手を加えて造られた海辺の天然プール(=海のプール)が、日本各地に少数ながら現存している。著者は海のプールを「気軽に泳げる場であると同時に、存在の美しさを兼ね備えた文化遺産」であると言い、そのすべてを訪ね、泳ぎます。海のプールの魅力とは何なのか。心の澱(おり)が洗い流され、生きる悦びが込み上げてくる珠玉の一冊です。

(担当/貞島)

 

目次より

はじめに

第1章 海のプール 海岸編

プール「はしご」旅
「猫地獄」からのダイブ――鴨ヶ浦塩水プール(石川県輪島市
「海の喫茶店」を愉しむ――米ノ海水浴場(福井県越前町
三つ葉のような三つのプール――間人親水プール(京都府京丹後市

ローカル線沿いのプール巡礼
“一〇〇メートルの極浅”を平泳ぎ――千畳敷天然海水プール(青森県深浦町
日本海と一体化した開放感――岡崎天然海水プール(青森県深浦町
こみ上げる寂寥――岩館海浜プール(秋田県八峰町
断崖に浮かぶ「小さな海」――侍浜海水プール(岩手県久慈市

第2章 海のプール 離島編

海のプールとその周縁
絶景、透明度…すべてが至高――あやまる岬海水プール(鹿児島県奄美市
塩化マグネシウムという海
「潮垣」は泳げるのか

プール王国の島
広々とした野性的な海空間――海軍棒プール(沖縄県南大東村
波しぶき強烈な“露天風呂”――本場海岸プール(沖縄県南大東村
波に打たれプールに落ちる愉しさ――塩屋海岸プール(沖縄県南大東村
北大東島唯一のプール――沖縄海(沖縄県北大東村
長大なプールで歴史を偲ぶ――玻名城海岸(沖縄県八重瀬町

東京の島プール
美しき二つのプール――乙千代ヶ浜(東京都八丈町
起源謎めく憩いの空間――トウシキ遊泳場(東京都大島町

第3章 海のプール 新旧探訪編

消えた海のプール
師崎プール跡(愛知県南知多町
天津プール跡(千葉県鴨川市
姥の懐マリンプール(茨城県ひたちなか市

北海道の新旧プール
安心して泳げる広大な新プール――厚田海浜プール(北海道石狩市
愉しさ満点の新スポット――元和台海浜公園・海のプール(北海道乙部町
ミニ北海道型海中プール跡(北海道八雲町)

鹿児島の絶景プール
消えた枕崎プール
最高の開放感――台場公園海水プール(鹿児島県枕崎市
「溶岩プール」は泳げるのか
海との一体感を感じる――長崎鼻海水プール(鹿児島県いちき串木野市

第4章 海のプール 番外編

一〇円プールと温泉プール
大人六〇円で贅沢なひととき――東雲市民プール(愛媛県新居浜市
冷たい温泉をどこまでも泳ぐ――津黒高原温泉プール(岡山県真庭市

真冬のプールへ
素朴さが美しいプール――平瀬海水浴場(鹿児島県十島村
野趣あふれるリゾート――磯Sea Garden IKEJIRI(静岡県東伊豆町
神に見守られた静かなプール――赤立神海水浴場(鹿児島県十島村
海に包まれた露天風呂――水無海浜温泉(北海道函館市

シドニー・プール紀行
プールの「聖地」へ
万人のためのプール
ただ海を愛するということ

おわりに

 

著者紹介

清水浩史(しみず・ひろし)

1971年生まれ。書籍編集者・ライター。早稲田大学政治経済学部卒。東京大学大学院修士課程修了(政治学)、博士課程中退(環境学)。大学在学中から国内外の海や島を巡る旅をつづける。著書に『深夜航路』(草思社)、『秘島図鑑』『海駅図鑑』『幻島図鑑』『楽園図鑑』(河出書房新社)、『不思議な島旅』(朝日新書)などがある。

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